2014年度神奈川県私立学校教育功労者表彰を受けた 井上 奈々さん 鵠沼高等学校教諭 43歳
私学教育発展へ思い貫き
○…県内約80の私立中学・高校が参加し、2000年から開催している「神奈川全私学展」。進路を考える生徒や保護者など毎年3万人以上を集める同展の企画委員として1回目から現在まで尽力し続ける姿が高く評価された。1968年以降、幼稚園から専門学校までの私立学校関係者、延べ182人が受けた教育功労者表彰だが、43歳での受賞は最年少。「私が表彰を頂くことで私学展がより認知されるのが嬉しい」
○…当時20代ながら「立場に関係なくはっきりものを言えるから」と学校長から推され、私学展の企画立ち上げに参加した。集まったメンバーは12校の校長と4、50代の男性教諭ばかり約20人。世代や性別による感覚の違いを感じながら議論に耳を傾け会議の後半、「各校の制服を展示してはどうか」など臆することなく意見を言った。「制服を展示する発想は年配の男性教諭からは出てこないでしょ」と笑顔。制服展示企画は大当たりし、現在も行列ができる人気コーナーだ。
○…2年生のクラス担任で家庭科と保健の教諭。マーチングバンド部の顧問を務めながら入試広報もこなす。東日本大震災以降、「生徒には生活力をつけてほしい」と強く感じ、言葉遣いやチームワークなどを学べる「部活や行事を大事にして」と願う。学生時代はソフトテニスに没頭、仲間と競い合って上を目指したが、顧問を務めるマーチングバンドは「仲間はライバルではなく、勝ち負けだけではない世界。こういう世界があるのかと、ハマりました」。”仲間”になろうと放課後、初めて手にしたクラリネットを猛練習。現在では生徒とともにステージで演奏することもある。
○…企画委員への参加を通して「他校の教科指導方法などを聞くことができ、リーダーシップの取り方も勉強になる」と話す。普段はライバル同士の各校が私学展では仲間。「私学展のさらなる発展を願っています」。優しく微笑んだ。
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