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藤沢 人物風土記

公開日:2019.08.23

朗読の会「海の音」の代表を務める
富樫 則子さん
弥勒寺在住 76歳

朗読が元気の源

 ○…朗読を始めて20年以上。「平和への祈りをこめて」をテーマに掲げ、詩を声で表現してきた。石垣りんなど、作者が思いを込めた作品を声で表現し、登場人物を演じる。東日本大震災が起きた年は、福島県の原発問題に絡め、第五福竜丸で水爆実験が行われていた話や広島県に原爆が投下された話を朗読し、平和を表現してきた。「作品を読む時に作者やその時代について勉強している。その人の生涯を知ると、表現にも活かされてくる」と思いは強い。

 ○…朗読を始めたきっかけは新聞で演劇講座の記事を見つけたこと。そこで演出家と出会い、朗読もやっていることを知った。声で物語を紡ぐ楽しさにのめり込み、今ではかけがえのないものに。「演劇とは違うけど、芝居をやりたい思いはずっとあった。演劇は一人一役だけど、朗読は一人で何役もできるのでおもしろい」と笑顔。

 ○…趣味は旅行。会のメンバーで行くので、向かう場所は作品にまつわる所ばかり。作者の育った場所や舞台を訪れ、より理解を深めていく。「いつでも朗読のことを考えているのね」とほほえむ。印象的だったのは石垣島へ行った時。波照間島の詩の勉強で向かい、図書館で猛暑の中、『ひろしまの空』を披露。足を運んだ人との交流は思い出に刻まれた。「好きなことをしているけど、朗読に繋がることばかり。人のつながりがたくさん生まれた」と話す。

 ○…今後も活動を続け、より多くの作品を読んでいくことが目標。作者の伝えたいこと、生き様を学び、やりがいを持って走り抜ける。「何かやりたいと思っていたけど、気付いてみたら、生活の一部となり、元気の源になっていた。作品を聞いて、情景が目に浮かぶ朗読をこれからも続けていきたい」

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