11月に発足した湘南シークロス商店会初代会長 高木 實(みのる)さん 鵠沼在住 83歳
辻堂見守る「親分」
○…「訪れる人たちに安全安心を届けたい」。その思いを実現するため商店会を立ち上げた。まずは防犯カメラを設置する。商店会の前身にあたる協議会を有志で発足させ、すでに辻堂周辺の環境美化に努めている功労者。根底にあるのは経営者としての市民への恩返し。街に集う人たちがいてこその商売。快適さはもちろん、安全安心を守るのは当然と考える。「そのために投資してくれる仲間がいる。これが辻堂の良さ」と誇らしげに語る。
○…食肉や惣菜、レストランなどを1都4県34店舗展開する(株)タカギフーズの代表取締役会長。家業の食料品店を18歳で継ぎ、大きく羽ばたかせた。信念は「正直であること」。日本中の食肉業者を苦しめた狂牛病問題では、いち早く情報を開示。消費者の安全確保に努めた。「あの時はピンチだった」と振り返るが、「それが信頼につながった」と自負する。
○…東京都杉並区生まれ。6人兄弟の長男。その面倒見の良さから、周囲からは「親分肌っていわれるかな」。若くして仕事に明け暮れる日々に光を当ててくれたのが夫人。客として訪れた夫人に「一目惚れというやつ」とはにかむ。今も多忙な毎日だが、時間があれば2人で出かける愛妻家だ。また、世話になった人たちには愛用の万年筆で一筆送るのが習慣。「メールの時代だからこそ」。感謝を伝えるひと手間を惜しまない。
○…これからの展望を、商店会長としては「ロボット特区などを生かした街に活気を」、経営者としては「500人のスタッフの生活をしっかり守りたい」と話す。過去副会頭を務めた商工会議所では請われて要職にもついた。「後進のための道筋をつけることが役割」と力強く語る頼もしい「親分」だ。
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