市内5公民館や福祉施設で絵画教室の講師を務め、1日まで児童画展を主催した 鈴木 敬司さん 西富在住 66歳
「心動かす絵」教え続けて
○…38回目となった児童画展。指導している80人の子どもや障害のある人が描きためた水彩画や油彩1000点が市民ギャラリーを彩った。昨年はコロナ禍で断念し、2年ぶりの開催に「絵を描くこと、発表の場があることが生活にハリを生む貴重なものだと実感した」と感慨深い。「搬入や搬出を手伝ってくれた子たちや、6日間の会期中毎日自分の絵を見に来て、僕に色んな話をしてくれる子もいてね」と目じりが下がる。
○…絵画・造形講師を務めて約45年。20代の頃からたくわえている口ひげがトレードマークで、「けいじ先生」と親しまれている。今も幼稚園や保育園、公民館などで週15教室、年間数百人に指導している。「技術的に上手な絵よりも良い絵を。自らの心を表現してほしい」がモットーだ。
○…医学者の父に勉強を教え込まれた幼少期。「そのためか美術や音楽の方が好きになっていった」と苦笑い。逗子開成高校を経て大阪芸術大学で版画を学び、卒業後は菓子のパッケージや飲食店のメニューなどのデザインを手がけた。絵画講師も務める中、人柄が評判を呼び、障害者の保護者からも指導依頼の声がかかった。そこで1979年に児童と知的障害者のための「アトリエKEIJI」を開設。固定した教室は構えず、教えに出掛けるのが今も変わらないスタイルだ。
○…自宅のオーディオでモダンジャズを聴き、2匹のホシガメの世話をするのがリフレッシュの時。指導に注力しているが、心が動いた時には自然と絵筆を取る。孫の誕生の喜びを表情豊かにカラフルな色どりで描いたり、近年は自分を見直そうと毎年自画像を描ているのだとか。今後は「障害のある人一人ひとりに向き合って指導していきたい」と熱を込めた。
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