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藤沢 ピックアップ(PR)

公開日:2023.11.03

「いい歯の日(11月8日)」特別企画
歯科医師×栄養士×藤沢市(健康づくり課)
(公社)藤沢市歯科医師会 石井宏知さん 藤沢栄養士の会「さつき会」冨田唯里さん 藤沢市健康づくり課 歯科衛生士 熊谷美穂さん

  • 歯科医師の石井宏知さん

  • 管理栄養士の冨田唯里さん

  • 藤沢市の熊谷美穂さん

歯と口からはじめる健康づくり

 食べる、話す、呼吸する――。毎日の暮らしには、口の健康が関わっている。当たり前のように過ごすなかで忘れてしまいがちな歯と口の健康について、『いい歯の日』(11月8日)に合わせ、「歯科医師会」、「栄養士会」、「藤沢市健康づくり課」へのインタビューを企画。口腔内の健康や連携の取り組みについて聞いた。

――普段の生活を快適に過ごすには、食事や会話をするためのお口の健康が大切です。歯科医療の現状についてお聞かせください。

石井「近年は、お口の健康への意識の高まりもあり、むし歯による治療で来院される方が減っている一方、歯周病や口腔機能不全、矯正など虫歯以外の原因で来院される方がかなり増えてきていますね。風船ガムを膨らませられないお子さんや、極端な場合ですが、舌を上顎につけることができない患者さんも見受けられます」

冨田「藤沢栄養士会 さつき会では、小学生対象の食育活動などで講師を務めていますが、正しい姿勢で食事をとれていないお子さんも多いようです。幼児期の頃に、足の踏ん張りがきかない状態で食べていると、どうしても姿勢が維持できません。傾いた姿勢ではしっかり噛むことができず、その習慣が成長しても残ってしまう。その結果、噛む力の衰えにもつながっていると思います」

熊谷「高齢の方が噛む力や飲み込む力が低下すると、栄養に偏りが出て、低栄養の状態になりやすくなります。藤沢市では、食べる機能が衰えていかないよう健康講座を開催しているほか、子供向けには、夏休みに放課後児童クラブなどでお口に関わる教室を今年も30回以上実施しています。大切なことなので、しっかりと伝えていきたいです」

歯科健診は若い頃から

――藤沢市では、若年層から歯科健診を実施しているそうですね。

熊谷「市では、20歳から70歳までの5年ごとと、80歳を対象に歯科健診を実施しています。20代や30代の若い世代の方を対象にしている自治体は県内でもまだ少なく、藤沢市は先進的に取り組んでいます」

石井「素晴らしいですよね。熱心に健診に来ていただける方も多く、80歳で自分の歯が20本以上ある人の割合は全国調査で50%を超えています。若い方にも、もっと受診していただきたいですね。むし歯を早期に見つけて経過を見ていったり、必要であれば必要最低限の削除量で治療すれば、それだけ歯への影響を最小限にとどめることができ、結果的に長くご自分の歯で噛むことができます」

熊谷「歯科医師、医師、薬剤師、栄養士をはじめ、介護や教育関係、企業などの委員で構成する『歯科保健推進会議』では、さまざまな分野と連携し、市の歯科保健対策を検討しており、今年度は特に歯周疾患予防に関する啓発について協議をしています。若い人への周知として、LINEなどSNSの活用などにも取り組んでいます。来年度も6月から10月まで、成人歯科健診を実施いたしますので、ぜひ身近な歯科医院に足を運んでいただきたいですね」

災害時にも口腔ケア

――今年は関東大震災から100年ということで、防災にも注目が集まっています。冨田さんは管理栄養士に加え防災士の資格もお持ちですが、栄養と防災についてお話をお聞かせください

冨田「公民館で災害時にも役立つ調理法の実習を行ったのですが、防災グッズのなかに、歯ブラシや口腔ケア用品を加えていただきたいですね」

石井「東日本大震災の時も、発災直後はまず生き延びることが最優先ですが、避難所ではなかなか口腔の健康が維持できず、食べ物が上手く呑み込めずに雑菌が肺に入ることで起きる『誤嚥性肺炎』がかなり多かったと聞いています」

冨田「避難場所では水が貴重だからうがいできないという声もありましたが、わずかな量の水でも口の中をかなり奇麗にすることができます。誤嚥性肺炎はもちろん、歯が痛くなって治療できず食べられなくなれば、低栄養や虚弱のリスクもあります。助かった命をつなぎとめるためにも、1本の歯ブラシがあるだけで大きな安心があります」

プロの連携で健康の推進を

――今後も市民の皆様の口腔の健康を推進していくために、皆さんの連携強化の展望などを聞かせてください

石井「やはりそれぞれの分野で専門の知識が異なりますから、コミュニケーションを深めていく研修会や勉強会は行いたいですね。例えば、歯の機能が衰えてしまっても、栄養をしっかり取れる食事の工夫を管理栄養士さんに聞くことは、患者さんへの医療の質の向上につながります」

冨田「歯科医院が管理栄養士をスタッフとして雇用し、患者さんの相談に活用している例もあります。小さな医院では新たなスタッフを増員することが難しいこともあると思いますが、栄養の知識や調理法など、互いに連携しながら一緒に学んでいけたら良いですね」

熊谷「市民の方の健康を守るには、歯科医師や栄養士の方との連携は必要不可欠です。高齢者の方から『もっと早く歯の健康に関する情報を知りたかった』というお声も聞きます。今後は、やはり若い人への歯科健診の受診を促していきたいです」

石井「『いい歯の日』をきっかけに、ぜひご自身やご家族の歯と口の健康について考えていただきたいですね」

企画/公益社団法人 藤沢市歯科医師会

【電話】0466・26・3310

藤沢市歯科医師会

藤沢市鵠沼石上2-10-6藤沢市口腔保健センター内

TEL:0466-26-3310
FAX:0466-24-5325

https://www.fda8020.jp/

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