藤沢 経済
公開日:2024.01.05
国内唯一専業メーカー「スワロー食品」(遠藤)
「湘南春巻」地元名物に
地産食材活用、返礼品に独自開発
パリッとした食感に旨味たっぷりの餡――。
食卓や弁当のおかずに欠かせない「春巻き」の国内唯一の専業メーカーが藤沢市内にある。今年創立50周年を迎えた「スワロー食品」だ。年間製造本数実に1億本。多くの市民が「一度は口にしたことがある味」だ。先頃は藤沢市と連携し、ふるさと納税の返礼品として新商品も開発した。
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遠藤の工場地帯の一角にある同社。敷地は1580平方メートルと製造工場としては際立つ規模ではないものの、常時100種類以上の商品を生産する春巻きの一大拠点だ。
取引するのは大手コンビニエンスストアやスーパーなど。社名こそ表に出ていないものの、消費者にとって惣菜や冷凍食品でお馴染みだ。学校給食でも提供している。
同社によると業務用シェアは業界2位。昨年、市の記者会見に出席した前原光一常務取締役は「我々が作った春巻きを食べたことがない人は(この中に)いないと思う」と自社商品の浸透ぶりに自信をみせる。
五目春巻きを始め、タコスやスキヤキなどの「おかず系」、カレーやチーズなどの「おつまみ系」、アップルシナモンなどの「スイーツ系」。これまで開発してきた商品は餡だけでも千種類を超える。前原常務は「皮との掛け合わせで無限の可能性が生まれる。春巻きは日本独自の文化で、まだまだ開拓の余地がある」と力説する。
「藤沢と言えば」
ふるさと納税の返礼品を独自開発したのは、「藤沢は魅力的な土地だがこれぞという土産物に乏しい。長年操業しているので、名物を作れたら」との思いから。完成まで半年、試行錯誤を重ね「湘南春巻」と命名。藤沢産の豚肉を始め、6種類の野菜をあえて手間のかかる直火窯を使って食感と風味良く仕上げた自慢の品だ。
創立50周年の今年、春巻き専業メーカーとしては飛躍の年に位置付ける。今夏をめどに埼玉県に新たな生産拠点を設置。生産本数を「現在の倍にする計画」で、業界シェアでトップを走るニチレイ(東京都)の背中が見えてくる算段だ。
藤沢で歴史を積み重ねてきたからこそ、周年の今、重視するのは地元との関係性。記者会見では前原常務が高らかに宣言した。
「藤沢と言えば春巻き、春巻きと言えば藤沢となれるよう育てていきたい」
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