13市町の海岸の環境保全を手掛ける(公財)かながわ海岸美化財団代表理事 松浦 治美さん 善行在住 66歳
海をキレイに思いは一つ
○…大量消費のバブル期、神奈川の海のイメージは「汚い」が第1位。この「汚名」を返上しようと1991年に県と13市町が協力して生まれたのが、同団体だ。主な活動は独自の海岸清掃に加え、ボランティアで取り組む人たちの支援。懸案だったコロナ禍で縮小したボランティア活動も回復基調。3日には辻堂でウェブとリアル、同時に行う交流会を企画している。「これまでの思いを大切に、人と人をつないで活動を拡大させたい」と意気込む。
○…代表就任は6年前。それ以前は県職員として活躍。環境に配慮した企業の国際基準ISOの取得促進や、太陽光発電、電気自動車の普及など、県の施策を拡げていく役割を担ってきた。大切にしたのが「人との縁」。公私かかわらず出会った人との縁を頼りに実績を積み上げてきた。代表となった今も、様々な会合に出席。自らアピールに立ち、多くの企業からの支援を得た。そんな活動を通して思うのはやはり感謝。「出会いを大切にしてくださる人に生かされている」
○…藤沢生まれ、藤沢育ち。海が好きで、子どもの頃は仕事に忙しい父も一緒に過ごせた家族の思い出の場、学生時代は、物思いにふけったり、本を読んだりと心のリセットの場として癒された。ただし、高校時代は別。湘南高校で入部したフェンシング部の基礎体力づくりが「海岸」だったからだ。「女子一人、容赦ない練習は辛かった」と笑う。
○…今後の展望について「5年、10年、長期的な見通しが必要」と表情を引き締める。人手不足や、必要予算の高騰など社会課題は同団体にものしかかる。だが悲観はしていない。「自治体、企業、市民、海をキレイにしようという思いは一つだから」
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