市内二階堂にある国指定史跡永福寺(ようふくじ)跡の三堂基壇の見学会が1月25日に行われた。基壇は、二階堂・薬師堂・阿弥陀堂の建物の基礎で、市が今年3月までの復元完了を予定している。
当日は冷たい風が吹く中、約310人の見学者が参加。史跡への関心の高さをうかがわせた。見学者は3グループに分かれ、市文化財課職員による「三堂を結ぶ複廊が二間あり広い。また、両脇堂から翼のような『翼廊』を池に延ばしている。頼朝のオリジナル性が高い設計」などの説明に熱心に聞き入っていた。
市は、基壇復元と複廊の礎石設置を2012年度の整備範囲としている。13年度以降は苑池整備を行っていく方針で、15年度末までに工事を完了する予定。今後、史跡公園としての整備を目指している。建物自体は、当時の外観などを示す資料が発掘されていないため、現状造ることができないという。
平泉寺院模し頼朝が建立
永福寺は、1189年の奥州平定で犠牲となった源義経や藤原泰衡らの霊を供養するため、源頼朝が建立した寺院。中尊寺大長寿院二階大堂や毛越寺(もうつじ)などを模した壮大な建物で、1194年には二階堂・薬師堂・阿弥陀堂の中心伽藍が完成したといわれる。
東を向く二階堂を中心に北に薬師堂、南に阿弥陀堂を左右対称に配し、全長130mに及ぶ寺院で、前面には南北100m以上ある池が造られていたとされる。1405年、火災で焼失して以後再建されず、江戸時代初期には廃寺となった。
同寺跡は1966年6月に、周囲の山を含めた約8万6000平方メートルが国史跡に指定された。市では83年から本格的な発掘調査に乗り出している。世界遺産登録の構成資産の一つ。
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