県の藤沢土木事務所から2月6日にボランティア表彰を受けた谷際自治会の副会長を務める 横山 晴二さん 手広在住 77歳
二人三脚で仕事も人生も
○…「家の真ん前だから、いつも気になるんだよね」とボランティア表彰された手広2丁目ポケットパークでの清掃について話す。元々河川だった同地が埋め立てられ公園となってから25年ほど。地元の谷際自治会の有志で毎月清掃を継続してきた。「自分たちの住んでいる場所だし当たり前のことなんだけどね。表彰されるなんてびっくりしたよ」と笑顔を見せた。
○…東京都出身。戦後就職するにあたって「一番給料が良かった」との理由で銀行員に。丁度高度経済成長期に当たり、仕事は過酷を極めた。「朝4時まで仕事をすることもあったなあ」と当時を振り返る。そんな折、同期の親友が過労で他界。「ショックだったと同時に、自分の身の危険も感じた」と30歳のころ退職を決意。妻の実家が金物店だった縁から商売に挑戦することに。「これからここが栄える」との妻の母の直観から、鎌倉に金物店の仮店舗を構えたのが1968年。宅地開発が行われていた時期で、近隣で仕事をする大工に重宝がられ、たちまち繁盛店に。「縁者の知恵を借りて品質にこだわったから、口コミでお客さんが広がっていったんだよ」とにんまり。74年に現在のところに住居兼店舗を構え、約30年間店を切り盛りした。
○…「仕事も子育ても、全て妻と一緒にやってきたんだ」と柔らかい笑みを浮かべる。「どちらかが病になる前に」と70歳を機に店を閉めたときには、常連客から「続けてくれなきゃ困る」と怒られたことも。「店が愛されてたのはうれしいけど、あの時は本当に参った」と苦笑い。息子も娘も独立し、現在は妻と2人暮らし。「全然違う性格だけど、二人三脚でやってきた妻は本当に掛け替えのない存在なんだ」と語った。
○…店の片づけが落ち着いたところで、昨年初めて自治町内会の副会長に就任。「忙しいのが続いていたから、今年こそは妻とゆっくり京都辺りに行きたいなあ」と話した。