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取材協力/医療法人沖縄徳洲会 湘南鎌倉総合病院 医療レポート【1】 「消化器病センター」の新体制 チーム医療で迅速・最適な対応目指す
湘南、鎌倉エリアで中核的総合病院としての役割を担う湘南鎌倉総合病院(鎌倉市岡本、塩野正喜院長)では、この4月から「消化器病センター」の体制を一新した。消化管や肝臓、胆嚢、膵臓の疾患に対する、より高度で専門的な医療体制の構築を目指したものだ。賀古眞センター長に聞いた。
消化管、肝胆膵の専門家が集結
――「消化器病センター」の体制を改めた理由は。
賀古センター長(以下、賀古) まずは人的な充実が挙げられます。「消化管部門」(食道、胃、小腸、大腸)に江頭秀人部長が、肝臓、胆嚢、膵臓の疾患を診療する「肝胆膵部門」に金原猛部長(肝臓)、小泉一也部長(胆膵)、というそれぞれの分野のスペシャリストが揃ったことで、より専門的で高度な医療を行うことができるようになりました。これらの臓器は食べ物を消化、吸収するという意味でも密接な関わりがありますから、「消化器病センター」という一つのチームとすることで、患者さんに迅速かつ最善の医療を提供したいと考えています。
また患者さんにとっては、どの科にかかったらよいのか分からないときなどに、まずはここで相談しよう、と非常に分かりやすくなったと思います。
――どのような治療に力を入れていますか。
賀古 当院では胃カメラによる検査が月間で800例を超えるなど、現在の消化器病の診療は、各種内視鏡による診断と治療が中心となっています。
消化管に関して言えば、拡大内視鏡などの検査機器の進歩で早期ガンの発見頻度が増加しており、これら早期ガンへの内視鏡的治療ということを重要視しています。早期発見、早期治療ができれば、その後の治療による患者さんの負担も少なく、なにより延命の効果が全然違います。
肝臓分野では肝ガンの治療に力を入れています。肝炎の治療、肝硬変の合併症(食道静脈瘤、腹水、肝性脳症など)の治療方法が進歩し、肝臓病全体の生命予後が改善しつつありますが、肝ガンの患者さんはまだまだ減っていません。
当センターでは無痛ラジオ波焼灼療法やカテーテルによる肝動脈塞栓術など様々な方法で肝ガンの治療を行っています。
胆膵分野としては胆管結石、膵炎、胆管炎など救急対応が必要な疾患が多く、内視鏡で胆石や膿を緊急に排出し発熱、黄疸など患者さんにとって辛い症状を速やかに取り去る一方、超音波内視鏡を駆使して肝、膵疾患の最新の診断治療を行っています。
地域の開業医との連携を強化
――地域の開業医さんとの連携にも力を入れているそうですね。
賀古 当院が行っている公開講座の時などで「ぜひホームドクターを作って下さい」というお話をよくしています。特に私が専門としている肝臓は「沈黙の臓器」と言われるのですが、腹痛で救急来院して検査したら、初めて肝ガンが見つかったなど、自覚症状では病気が悪化するまで何も分からないことが多い。
もし定期的に検査を受けていればもっと早くに見つかって対処できただろうと、医師として悔しい思いをすることもあります。
だからこそ、何か気になることがあればすぐに体を診てくれるホームドクターを作ってほしいと思います。肝臓はお酒が病気の原因になることが多いので「昨日飲み過ぎたからちょっと診てよ」と言えるようなドクターがいれば、健康には一番いいことなんです。
また「病院の限界」もあります。多くの患者さんに来て頂いて、結果的に3時間、4時間も診療をお待ちいただくようなことは決して良いことではありません。だからこそ、日頃の健康管理は地域の開業の先生方、高度かつ専門的な医療は総合病院というこの棲み分けをこれからも進めるべきだと考えています。
当院としては、このような高度な医療ができるのだということをもっと開業医の先生方にアピールし、いざという時に紹介をいただけるような「病診連携」をより広げていきたいと考えています。
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