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鎌倉版 公開:2019年5月1日 エリアトップへ

カウンター越しに見つめたまちと人 バー「マイクス」 榊原直哉さん

社会

公開:2019年5月1日

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店に立ち続けて54年となる「マイク」さん
店に立ち続けて54年となる「マイク」さん

 観光客の姿が消え鎌倉に静寂が訪れる午後7時、小町から1本入った通りのバー「マイクス」に明かりが灯る。

 1965年の開店から、店を切り盛りしてきたのが「マイクさん」の愛称で親しまれる榊原直哉さん(87)だ。

 京都府出身のマイクさんは、15歳で終戦を迎えた。「父は私が1歳の時に亡くなっていて、母や兄弟を食べさせなくてはならなかった」と中学を出てすぐに、滋賀県の琵琶湖ホテルで働き出した。

 配属されたバーには、休暇になると米軍の将校たちが訪れた。「マイク」は、日本人の名前が呼びづらい将校がつけたニックネーム。「日本人で目を見て話す人は珍しい。基地で働かないか」と誘われ、東京・立川や大船(現在の横浜市栄区)にあった米軍基地内のPX(日用品等を販売する店舗)で、マネージャーなどを務めた。

 基地が閉鎖する方針なのを知り、当時住まいのあった鎌倉・小町通りの近くでカウンター10席ほどの小さな店を構えたのは33歳の時。

 以来、知る人ぞ知る名店として愛され、常連客には多くの文化人、著名人がいる。

 カクテル「ブルドッグ」の名付け親となるなど、バーテンダーの世界では伝説的存在だが「僕は(バーテンダーの)協会に所属したこともないし、カクテルの作り方もほとんど自己流」と謙遜する。

 名物は妻とともに仕込んだローストビーフ。だが、それ以上に客を魅了してやまないのが、マイクさんの存在そのものだ。老若男女どんな客にも分け隔てなく接し、求められれば得意の英語を駆使して米軍将校とのやりとりや、基地勤務時代のエピソードを披露する。プロ顔負けのマジックで楽しませることも。「身体が動く限り、店に立ち続けたい」。その「伝説」はまだまだ更新されていく。

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