鎌倉市は2月9日、「古文書 紙本淡彩 報国寺境内絵図 一幅」(報国寺蔵、鎌倉国宝館寄託)を2020年度の鎌倉市指定文化財に指定すると発表した。
昨年10月に開催された鎌倉市文化財専門委員会への諮問に対し、12月に答申を受け、市教育委員会2月定例会で議決されたもの。
今回指定された資料は1791(寛政3)年に作成された報国寺の境内絵図。
前年に江戸幕府が建長寺に対して境内の伽藍や坪数を示した絵図を提出するよう命じたことを受け、同寺が報国寺をはじめとする末寺分の境内絵図群を取りまとめて幕府に提出した際の、控えと考えられている。
絵図は、北を下にして描かれており、表門を入って正面に仏殿、中門の西に客殿などの諸堂を描き、図の下部には境内の平地や山林の坪数、建物の名や規模等を詳細に記している。
谷の奥には塔頭の名が記され、報国寺の寺域が広範囲に及んでいたことが分かる。
また西側の山中には絹掛松等の名勝や足利氏の墓なども描かれるとともに、現在の報国寺を象徴する景観となっている竹林が、客殿の背後に丁寧に書き込まれるなど「中世から近世の報国寺の伽藍規模を詳細に記した資料は少なく、本絵図は寛政年間の境内の様子が分かる資料として大変貴重」と評価された。
これによって市指定文化財は328件になり、国宝が15件、国指定重要文化財等が202件、県指定重要文化財等が64件で、市内の指定文化財は合計609件となった。
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