犯罪被害に遭った人やその家族に対する支援を充実させようと、県内市町村で導入が進む「犯罪被害者等支援条例」。鎌倉市も、市民からの要望を受け、来年度中を目指して条例を制定する方針を決めた。市は今後、支援内容について検討していく。
犯罪や交通事故の被害者、その家族に対しこれまで不十分とされていた日本の支援。政府は昨年6月、国が被害者などに支給する給付金額を大幅に引き上げる方針を固め、制度整備を進めている。給付金以外にも、相談窓口開設、住居や雇用サポートなどを都道府県や市町村単位で支援する条例化が広がっている。
鎌倉では昨年11月、警察と連携する鎌倉地区被害者支援ネットワークと大船地区被害者支援ネットワークが、鎌倉市にも支援条例の制定を求める陳情を市議会へ提出。12月議会で採択された。
さらに1月18日には、防犯団体の鎌倉ガーディアンズが松尾崇市長のもとを訪れ、条例化に向けた要望書を手渡した。過去に犯罪被害に遭った経験があり、ガーディアンズとしても被害者の相談にのってきた大津定博代表(61)は、「犯罪に遭うと、困難な状況に直面して精神的、経済的、肉体的に負担になる。その際にきめ細かな支援をできるよう鎌倉市にも条例が必要」と語った。
議会での陳情採択や市民団体からの要望を受けて松尾市長は「来年度に条例化する」と明らかにし、「皆さんの意見を聞きながら支援内容を検討していきたい」とした。
県内9市町が施行
神奈川県では、2009年に犯罪被害者等支援条例を施行し、カウンセリングなどを受けられる神奈川被害者支援センターを設置。さらに市町村でも横浜市、川崎市、相模原市、横須賀市、茅ヶ崎市、秦野市、伊勢原市、寒川町、湯河原町の9自治体が犯罪被害者支援に特化した条例を定めた。来年度の条例化に向け鎌倉市は、支援の見直しを図る国や県の動向を見ながら内容を策定していく。
鎌倉版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|