「かまくら献血部」を立ち上げた 小野里 秀美さん 材木座在住 58歳
思い立ったが吉日
○…「なぜ私が生き残ったのか?」。2018年に急性骨髄性白血病が判明し、2歳下の妹がドナーとなり骨髄移植。200回におよぶ輸血も受け、命がつながった。「幼い子どもを残して白血病で亡くなったパパ・ママなど、生きていかなきゃいけない人もいたのに。私の家族は成人していたり、1人で何でもできたりする人だけど」。そんな思いが頭を巡り、結論に至る。「何かやんなきゃいけない」と。
○…病気を患ってから2年が経過し、外出できるようになった。すると、「神奈川骨髄移植を考える会」に入会し、ドナー登録のサポートを始めた。会ではまた、病気で髪の毛を失った人が被れるコットンキャップを作り、病院などへ納品している。そして昨年12月、献血やドナー啓発の機会を増やしていこうと、夫や妹らと「かまくら献血部」を立ち上げ、鎌倉市市民活動センターに団体登録。「別の用でセンターに行くことがあったので、献血部も発足して登録した。いつも思いつきで行動しちゃうんで」と顔が綻ぶ。
○…以前からそうだった。息子が2歳のとき、自宅の一部を改装してリサイクルショップを開店。「子ども服は高いから、こういうお店があるといいかなと」。街の広報紙で見かけた留学生のホームステイに応募し、毎年夏には台湾の大学生を自宅へ迎え入れた。「子育て中で旅行に行けない分、来てもらえれば楽しいかなと」
○…15年前から暮らす鎌倉では、献血やドナー登録の場は多くない。2月から始動したかまくら献血部は、献血イベントの手伝いだけに留まらず、自主企画で啓発の機会を増やしたいと考えている。「病気になったことで、やりたいことが生まれた。思いっきりやって生きていきたい」