鎌倉 トップニュース文化
公開日:2025.11.07
旧前田邸
解体、一部再活用へ
市「多くの意匠残したい」
鎌倉市は、鎌倉文学館の2029年春の再開館を目指し、大規模改修工事に着手する。これに伴い、敷地内にある洋館「旧前田邸」は安全性や活用の難しさから解体の方針となったものの、市は建物の意匠や部材を一部再活用し、次の世代へ引き継ぐ考えだ。
旧前田邸は、加賀藩前田家の17代当主・前田利建氏によって1971年に建設。2010年に18代当主・利祐氏が鎌倉市に寄贈。市は活用を検討してきたが、土砂災害警戒区域に位置し、耐震性やバリアフリー化等のための大規模改修が必要になること、歴史的建造物として指定されていないことなどから総合的に判断し、活用を断念。民間での活用も法規制上の問題でできなかった。
旧前田邸の解体は、2026年度に着工予定の同館改修工事の中で一体的に実施される。ステンドグラスや屋根瓦、照明器具などは文学館や新たに建設される管理棟などで再活用が計画されており、市ではその他の意匠や部材についても「できるだけ多くのものを残したい」としている。
今後、工事業者の選定期間となり、来年6月頃に契約、夏頃から工事着手の予定。
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