「人力地球縦断」などの著書で知られる冒険家・九(く)里(のり)徳泰さん(51・中海岸在住)が、25年ぶりの写真展を7月7日から10日まで茅ヶ崎市中海岸のギャラリー「CREATIVE SPACE HAYASHI」で開催した。9日にはゲストを招いたトークイベントも催され、来場者に冒険の魅力を余すことなく語った。
九里さんは、大学在学中に世界で初めてチベット高原ラサーカシュガル(3105Km)を単独で自転車走破したことを皮切りに、アメリカ大陸を人力縦断(3万Km)、ヒマラヤ山脈のチョオーユー登頂(標高8201m)など数々の冒険を成し遂げてきた冒険家。自身の体験を元にした多くの著書があり、テレビ番組にも出演している。富山県立大学教授などを経て、現在は相模女子大学学芸学部英語文化コミュニケーション学科で教授を務める。
想定外も醍醐味
写真展は、富山県から自宅のある茅ヶ崎に戻ってきたことを機に企画した。
冒険家として世界80か国を巡ってきた九里さんは、スクリーンに各地で撮影した写真を映しながら、旅で起きたできごとやその時に感じたことなどを解説。「北極海の海は意外とぬるいなど、行ってみないとわからないことがあり、また予想もしない事・人との出会いがあることが旅の醍醐味。今も常に次の旅を考えている」とその魅力を語った。
トークイベントでは、ゲストに紀行作家・バックパッカーのシェルパ斉藤さん(55)を招いた。
八ヶ岳在住のシェルパ斉藤さんは「BE―PAL」をはじめ複数のアウトドア雑誌やウェブで紀行エッセイを連載している。九里さんとは大学生の頃に出会い「常に気になる存在だった」という。「彼(九里さん)の旅は誰にでもできるものではない。自分は大変だけれど誰でもできる旅を楽しくやって『自分もできるかもしれない』という一般人の希望になろうと思った」と自身の原点を明かした。
イベント後、2人は来場者の質問や写真撮影などに気さくに答えていた。
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