午前6時30分、サーファーや早朝のウォーキングを楽しむ人が行き交う汐見台海岸のウッドデッキに50人ほどの人が集まり、ラジオ体操の軽快な音楽が流れ始める。輪の中心にいるのは、トレードマークのキャップを被った本多信昭さん(92)=松浪在住=だ。
毎朝、決まった時間に開かれている「汐見台海岸ラジオ体操会」の名称を知る人は、参加者の中でも少ない。それというのもこの会が参加者たちの自発的な集まりで行われているからだ。
辻堂にあった関東特殊製鋼株式会社(跡地は現在のテラスモール)に勤めていた本多さんは、毎朝会社で実施していたラジオ体操を定年後も自宅の庭で行い、体操後に海岸までウォーキングすることを日課にしていた。12年前に海岸でラジオ体操を始めると、毎朝のその姿を見た人が一人、二人と参加するようになり、現在では毎回40〜60人が参加するまでに輪が広がった。茅ヶ崎、藤沢から足を運ぶ参加者は「本多さんの元気な姿が励みになる」「本多さんが目標」と口を揃える。
体操会は雨の日を除き、毎日開催。やむを得ない事情で本多さんが参加できない時も、有志のサブリーダーが代理を務めて実施される。「元日にはちょうど体操が終わった後に初日の出が拝める。感動的で気持ちが良いよ」と本多さん。
健康と交流の場に
会場は相模湾を正面に、東に江の島、西に富士山やえぼし岩が望める絶好のロケーション。2年半前から参加している上野孝さん(70)は「天気の良い日には大島まで見える。早朝のおいしい空気と、いつでもこの時間に行けば本多さんやみんなと会えるということ。なにより誠実で、老いてなお元気な本多さんの存在が参加者を海岸へと駆り立てるのでは」と会の魅力を語る。体操会で育まれた参加者のつながりは、月1回有志で開くウォーキングイベントが、これまでに50回近くも行われていることに表れている。
健康長寿の秘訣を「頭も体も使っていることかな」と話す本多さんは、スポーツジムやグラウンドゴルフにも通い、公民館で将棋の講師も務める。「元気な間はできるだけ動いて、社会の役に立ちたい。ラジオ体操も、より多くの皆さんと一緒に続けていきたい」と思いを語った。
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