茅ヶ崎・寒川 コラム
公開日:2023.02.17
学芸員のイチ推し!
-連載 Vol.6-
遺跡から発見された昆虫たち
現在、博物館の基本展示「低地に生きた人々」のコーナーに、遺跡から発見された昆虫たちを展示しています。
市内矢畑の「金山遺跡」(1次)で行われた発掘調査の時に、幅約5m、深さ約2・4mの大規模な溝が見つかりました。この溝は、室町時代〜戦国時代の小川であったと考えられます。かつて小川であったこの溝の中から多数の昆虫が発見されました。
発見された昆虫は、「キチン質」という鎧のような固い外骨格を持つ甲虫の仲間で、その外骨格と水を多く含む低地の土の中の環境のおかげで分解されることなく残されました。
そのほか、現在は市内で確認されない「ガムシ」や「ゲンゴロウ」、神奈川県産の標本としても貴重な「シャープゲンゴロウモドキ」などの水の中に生息する昆虫や、陸上で活動する「コガネムシ」や「カブトムシ」「ノコギリクワガタ」「クロカナブン」「センチコガネ」など13科49種が発見されました。約500年前の貴重な標本から、当時の茅ヶ崎の自然環境を垣間見ることができます。
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