茅ヶ崎・寒川 社会
公開日:2025.08.22
脊髄梗塞との闘病 冊子に
茅ヶ崎市中島在住 大森崇さん
茅ヶ崎市中島在住の大森崇さん(53)がこのほど、脊髄梗塞の闘病についてまとめた小冊子『私は突然歩けなくなりました。』を出版した。
昨年末、入浴中にひどい痛みと共に体が動かなくなったという大森さん。しかし検査しても原因はなかなか分からなかった。帰宅したものの再び痛みに襲われ、数回にわたって救急車を呼ぶことになったという。
さまざまな病院にかかり、ようやく判明した病名が「脊髄梗塞」だった。「2017年に大動脈解離B型を発症したり、椎間板ヘルニアを患っていたこともあり、原因がなかなか分からなかった」と振り返る。
「死にたい」痛みと戦う日々
脊髄梗塞は、脊髄に栄養を運ぶ血管が詰まり、脊髄の一部が壊死する病気。下肢の麻痺や膀胱直腸障害、背部痛などが症状に現れる。
大森さんの場合は、全身を激しい痛みと麻痺が襲った。「ただ白い天井を眺めることしかできず『死にたい』ということばかり考えていた」と振り返る。
5カ月の入院生活を経て現在は退院し、自宅でリハビリを続けながら療養している。胸から下は麻痺し車いすの生活になったが、胸から上の機能は残った。常時痛みがあるため薬で和らげている状態という。
情報を発信
10万人に1〜2人がかかるといわれる脊髄梗塞だが、法律に基づいて医療費助成の対象となる難病指定の対象となっていない。国の補助や支援はなく、専門医もいない状況だという。
孤独な日々の中で一筋の光となったのが、同じ病気に苦しむ仲間の存在だった。インターネット上で「脊髄梗塞の仲間たちの闘病記『幸せな人生の歩き方』」というサイトを発見。サイトを運営する川尻陽子さんや、2024年に脊髄梗塞を発症した「体操のお兄さん」こと佐藤弘道さんらと交流や情報交換を続け、難病指定に向けた国への働き掛けにも参加している。
「誰もがなりうる病気。もっと社会に知ってもらいたい」と考えた大森さんは、入院中のメモ書きや資料をまとめた小冊子『私は突然歩けなくなりました。』を制作した。もともとデザイナーとして働いていたこともあり「撮りためていた写真なども入れて、内容が固くならないように仕上げた」という。
instagram(@takashi_omori_)でも情報を発信中。「この病気がもっと社会福祉の中で取り上げられ議論されるようになれば」と思いを語った。
「希望する人には冊子を無料で進呈したい」と大森さん(自宅に直接取りに行ける人に限る)。問い合わせは大森さん【携帯電話】090・3918・5294へ。
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