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茅ヶ崎・寒川 コラム

公開日:2025.08.29

学芸員のイチ推し!
-連載 Vol.34-ウマを捧げた古代の祈り 博物館特別展にて

  • 小出川の改修事業に伴って出土した古代の絵馬(上)と絵馬の図面(下)=いずれも神奈川県教育委員会提供

 現在、茅ヶ崎市博物館では、特別展「古代高座(たかくら)」を開催しており、各地の指定文化財を含む古代の貴重な資料を350点以上展示しています。

 約1300年前、古代の役所と寺院が建てられた下寺尾(しもてらお)の周辺からは、古代の祈りに関わる出土品も数多く見つかっており、ウマを捧げた祈りに関わると考えられる資料もあります。

 ひとつは古代の絵馬です。日本最古の絵馬は飛鳥時代の中頃まで遡りますが、平安時代に入る頃、出土事例は全国まで拡大します。ただし、これまでに確認されているものは100点を超える程度で、関東地方では下寺尾からの出土事例のみです。

 いまひとつはウマの下顎骨(かがくこつ)で、雨乞いのために捧げられたと考えられます。ウマと水とは不可分の関係だったとされ、古代の社会には農耕に根ざした儀礼があったのでしょう。そもそも絵馬も、生きたウマを神に捧げる習俗と関連し、その形代の役割があったと考えられます。

 これら資料の展示は特別展の会期中だけ。この機会にぜひじっくりとご覧ください。8月30日(土)には、学芸員によるギャラリートークも開催します。

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