茅ヶ崎・寒川 コラム
公開日:2025.09.19
学芸員のイチ推し!
-連載 Vol.35-《墨書》土器ってなんだろう
現在、茅ヶ崎市博物館で開催している、特別展「古代高座(たかくら)」では、多くの墨書土器を展示しております。なぜ古代の人は貴重な墨を使って土器に文字や絵をかいたのでしょうか。その一例をご紹介します。
今回紹介するのは、下寺尾官衙(しもてらおかんが)遺跡群北B遺跡から出土した「則天文字「天」墨書土器」です。則天文字とは中国唯一の女帝である則天武后が定めた文字で、在位中の西暦690年〜705年という極めて限られた期間のみ使用されました。日本の古代社会では、呪術的な文字として受容されていたと考えられます。
この資料のように、神秘的な文字や鬼などの絵をまじないの意味を込めてかいたものもあれば、どの施設で使われていたか、何を入れる器かなどといった実用的な文字が書かれたものもあります。特に、信仰に関する墨書土器が盛んに作られたのはこの時代の特徴とも言われています。どのような意味があるのか考えながら、お気に入りの1点を探してみてください!
9月中旬頃からはお子様や歴史初心者の方にもさらに楽しんでいただけるようなSNS風解説パネルの設置や、参加すると特製缶バッジがもらえるワークシートも実施予定です。
詳細はホームページ等をご覧ください。ご来館をお待ちしております。
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