県政報告㊵ 小出川整備が進んでいます 神奈川県議会議員 山 本 哲
小出川は、相模川の下流部に位置する一次支川で、一級河川区間は藤沢市の諸之木橋から茅ヶ崎市の富士見橋付近までの延長約11Km。流域には寒川町など3市1町が含まれ、神奈川県が管理しています。農業用水としても利用され中上流域には水田や田畑が広がりますが、川幅が非常に狭く、近年の宅地開発等もあり土地の保水機能の低下も危惧されています。
頻発する水災害
近年は全国各地で台風やゲリラ豪雨などによる記録的な降雨量が観測され、河川の氾濫や堤防の決壊などにより甚大な水被害が発生しています。小出川流域においても昭和41年の台風4号、昭和51年の台風17号と豪雨による洪水があげられますが、近年では平成16年10月の台風22号により、床上、床下浸水を合わせて381戸の被害が発生しています。また、10年後の平成26年の台風18号に伴う豪雨により、床上、床下合わせて約80戸の浸水被害が発生しました。各地で被害をもたらした令和元年の台風19号では多くの町民の皆様が不安な一夜を過ごされました。そして先日、特に7月2日から3日にかけて降り出した激しい大雨により、未整備域の河川の越水や道路の冠水が確認され、メディアから大雨や台風等の予報がある度に不安な思いをされます。
安全・安心の確保
県は浸水被害を防止するため、小出川の河川改修工事を昭和47年度から本格的に着手しました。下流部の富士見橋付近から大曲橋付近まで、河原や中州に生い茂った草や樹木の伐採や、堆積した土砂の撤去、川幅を広げる護岸の整備が実施されてきました。現在では岡田地区より下流の小出川中流部、一ツ橋から鷹匠橋間において護岸整備が急ピッチに進められるまでになりました。これまで私も、地域住民の皆様から小出川に関する不安の声や早期整備を願う声が寄せられ、県議に当選以来何度も一般質問等で小出川の「護岸整備」や「洪水調節施設 遊水地の整備」、「浸水被害対策」、「洪水浸水想定区域図の見直し」などを強く訴えてまいりました。
護岸・遊水地整備推進
そうした中、県は、いよいよ岡田8丁目地区を含む一ツ橋から追出橋の間の川幅を広げる護岸整備工事が令和3年度〜6年度にかけて進められることになりました。また、遊水地の整備については、経済性、施工性、環境面などを総合的に考慮して茅ヶ崎市行谷地区を整備予定地とし、一ツ橋から追出橋までの間を対象に貯水容量約9万㎥、面積は5・5万平方メートルの設計に着手しました。工事着手までにはまだ時間を要しますが、以降、用地取得が順次進められます。工事期間中は地域住民の皆様にご不便をお掛け致しますが、ご理解・ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。
適切な維持管理から憩いの場へ
河川は整備が完了すれば終わりではなく、災害発生の防止や河川の適正な利用、水流の正常な機能維持、河川環境の整備保全の観点から、生い茂った草や樹木の伐採や堆積した土砂の撤去など、河川が良好な状態に保たれるよう維持管理に努めなければなれません。合わせて県では河川ごとに洪水浸水想定区域図を公表し、寒川町でも洪水ハザードマップを作成し公表していますが、水害が発生した際に住民の皆様が適切に避難できるよう、情報提供などのソフト対策を進めていくことも重要です。引き続き住民の皆様が安心して生活が送れるよう、安全確保に向けた切れ目の無い河川整備等が着実に進められるよう県に強く求めてゆきます。
小出川は今でも豊かな自然が残されており、9月上旬から10月初旬にかけて川沿いの約3Kmにわたって、彼岸花が帯状になって真っ赤に染め、のどかな田園風景と相まって訪れた人の目を楽しませ、心を和ませてくれます。地域の住民の皆様や訪れる人たちに親しまれ、愛される河川として適切な維持・管理が進められるよう合わせて求めてまいります。
町民の皆様へ
「議会活動の見える化」の一環として、平成27年に第1号として掲載させて頂きました「県政報告」も今回で40回を迎え「小出川」を特集して報告させて頂けた事に感慨深いものがあります。これからも町民の皆様の負託と信頼に応えられるよう、初心を忘れず取組んで参ります。
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