平塚・大磯・二宮・中井 社会
公開日:2012.07.12
生活保護 過去10年で最多
市内の生活保護受給者が、今年5月末時点で2420世帯・3340人に上り、過去10年で最多を更新したことが分かった。
就労機会創出に本腰不正受給根絶も急務
人口1000人当たりの被保護人数を表す保護率は12・86人で、2004年の6・14人から2倍以上に膨らんだ。特にリーマン・ショックが起きた2008年以降に急激な増加を見せている。
2012年度当初予算では、生活保護費に約60億円を計上した。個人市民税収148億5700万円の40%に迫る計算だ。保護費の4分の3は国庫負担で賄うが、市の財政に与える影響は少なくない。
「働きたいが就職先が見つからないという状況が、受給者の増加に拍車をかけている」。市生活福祉課は、働き盛りである現役世代の受給者が増えていることを不安視する。
受給生活が長く続くと、保護費に頼って働く意欲が低下しかねない。そこで同課では、就労意欲や体力などの条件から受給者を選抜し、ケースワーカーらが早期社会復帰に向けたバックアップを強化する体制をとっている。昨年からは就労支援員を2人に増員したり、ハローワークと連携して就職斡旋を充実させたりと、就労機会の拡大に積極的だ。
一方で、受給者に寄り添うケースワーカーの人員不足という悩みもある。市は、現在26人のケースワーカーを配置しているが、80世帯に1人という基準に4人足りず、1人で100件近い世帯を受け持っているという。「経験や知識の豊富なチーフケースワーカーを置き、3人の査察指導員とともに現場の悩みや相談を解決する仕組みを採用している」と、ケースワーカーの負担軽減に独自策を打ち出してはいるものの、人的資源の不足で満足な自立支援の手立てを講じることができない歯がゆさも感じている。
円滑な支援体制の整備だけでなく、不正受給の根絶や保護費の圧縮に向けた対応も急務とされる。「承知しておきながら所得申告をしないなど、悪質な受給者が増えていることは事実。納税者に対する説明責任という意味でも、不正受給の減少に市を挙げて取り組んでいく」(同課)とし、訪問調査や課税調査で不正受給を監視しながら、啓発しおりの配布などで理解を求める。また、保護費全体の約40%を占める医療費についても、安価な後発医薬品の推奨や適正受診を促すなどの取り組みを通じ、抑制を図るという。
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