平塚・大磯・二宮・中井 人物風土記
公開日:2013.05.16
日本画家として創作活動をしている
後藤 真由美さん
宮松町在住 30歳
「日本画にずっと魅せられて」
○…「使う絵の具や画材の種類によって様々な表情が生まれる。艶があって上品な日本画にずっと魅せられている」と、お気に入りの画集を片手に語り始める。若手の女性日本画家として、個展の開催や絵画展への出品など精力的に創作活動を展開している。現在は「絵を描く楽しさを多くの人に知ってもらいたい」と、絵画教室を開く夢をみて準備に奔走する。
○…石川県生まれ。小学4年の時、父の転勤で平塚へ。幼い頃から絵を描くことが好きで、「時間さえあれば絵本の模写をしていた」と笑う。中学の時、母に連れられて訪れた絵画展が画家を志したきっかけといい、「上村松園(うえむらしょうえん)や東山魁夷(ひがしやまかいい)の透明感ある作品を観て、一瞬で日本画の虜になった」と熱っぽく語る。美大を卒業後、一度は画家になる夢を諦めたが、アルバイトを掛け持ちしながら、青春時代の大半を絵に注いできた。
○…絵のモチーフの多くは、人間や動物などに宿る生命力。その時の自分の気持ちや葛藤を重ね合せる。なかでも、5年前初めて実現した個展で披露した、舞子をモデルにした作品には特に思い入れがあるという。「実際に京都に足を運んで舞子姿になり、髪飾りの重みや化粧をした感覚を体感した」と、納得のいく作品に仕上げるための研究は惜しまない。時には虎の絵を描くために、「1ヶ月間動物園に通い詰めて、動物の行動パターンを観察することもある」と、おどけてみせる。
○…「ここまで好きなことを続けてこれたのは、家族や友人の支えがあってこそ」と周囲の人への感謝の気持ちを忘れない。来年3月に閉校予定の母校大原高校にこの夏、絵画パネルを寄贈することになっている。モチーフに選んだのは巨樹。生徒たちがたくましく成長していくイメージと「世界に通用する作品を生み出せる画家になりたい」という自身の夢をシンクロさせる。
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