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平塚・大磯・二宮・中井 人物風土記

公開日:2015.03.26

昨年12月に新設した硬式野球チーム「湘南平塚北リトルシニア」の監督を務める
伊藤 栄治さん
東海大学体育学部准教授 48歳

野球で大学と地域を結ぶ

 ○…「大学が継続して地域とのつながりを作るには、少年野球チームを持つこともひとつの方法だと思った」と昨年12月、中学生硬式野球チーム「湘南平塚北リトルシニア」を設立、監督を務める。「ゆくゆくは他の競技も取り入れた、大学発信のスポーツクラブを作りたい」と話し、大学施設や人材を地域に還元する新たな取り組みに期待を膨らます。

 ○…福島県郡山市出身。郡山高校野球部で夏の県大会ベスト4などの成績を残し、東海大学に進学後は学生コーチとして名門野球部を支えた。卒業後も大学職員として働きながら原貢監督のもとで8年間コーチを務め、97年からは監督に就任、チームを14回のリーグ優勝に導いた。「原監督のもとで学んだことは多い。『納得させられるような伝え方をしないと選手の身にならない』ということを繰り返し言っていた」と振り返る。選手とのコミュニケーションについては「完成形はない。今も勉強中です」と首をすくめる。

 ○…体育学部の准教授として、チーム運営は学生への教材としても役立てたいと意気込む。学生の成長もこのチームが担う重要な役割だ。「いつか教員、指導者になる学生も多い。教室で学んだことだけでは実践になってから困る」とセオリーだけでは乗り越えられない壁に挑んでほしいと話す。「学生たちを見ていると、さっそく難しさ、教室で学んだこととのギャップを感じている様子。乗り越えてほしい」と目を細める。

 ○…「この調味料を入れたらどうかとか、考えるのが楽しい」と時間があるときには台所に立つことも。「野球をやってなかったら料理人にでもなっていたかも」と笑うが「でもやっぱり野球かな」とぽつり。勝ち負けを越えて、さまざまな経験を得たと野球漬けの日々を振り返る。「子どもたちにも将来を感じられるような経験をたくさん用意してあげたい」と、新たな地域連携の形を描き出す。

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