金目中学校野球部(顧問/高林隼教諭、石田雅久教諭)が「一人でも欠けたら試合ができない」という状況下で奮闘している。4月に行われた県春季軟式野球大会中ブロック予選で準優勝。昨年秋の新人戦では市大会を1回戦負けだっただけに、喜びをにじませる。
3年生2人、2年生7人に、まだユニホームも出来上がっていない入部したての1年生2人で挑んだ同大会。1回戦で伊勢原市立山王中学校に4対1で勝利すると、トーナメントを駆け上がるように2回戦、3回戦、準決勝、決勝と勝ち上がった。エースピッチャーで主将の山田聖矢さん(3年生)は「決勝で伊勢原中学校に3対1で負けたとき、全員が悔し涙を流していた」と振り返る。
たった二人の3年生、山田主将と花岡俊さんは入部当初から「同級生が2人だけで、中学校を卒業するまで野球部を続けていけるのか不安だった」と話す。今の2年生の入部が決まった時には「これで一つ上の先輩たちが引退しても試合ができるとほっとした」と振り返る。花岡さんは「下級生たちは自分たちよりも人数が多い分、ちょっと生意気。でも、頼りになる場面も多いです」とはにかむ。
実戦練習に工夫顧問2人も奮闘
人数の少なさから、日頃の練習もできることが限られてくる。練習では高林教諭(27)や、石田教諭(25)もジャージを着て、選手同様守備についたり、自らバッティングピッチャーとして投げ込んだりと、「部の一員」として活動する。高林教諭は「打撃と合わせて走塁練習もしたいが、ランナーもつけられない。いかに練習で本番の雰囲気を出すか、細かい場面の設定をするように呼びかけています」と工夫する。他校との練習試合を積極的に実施しているが、部員が審判などの役割を担うこともあり、一人でも休んだり怪我をしたりすると試合にならないため、部員たちの抱える責任感も強い。
新人戦で負けた悔しさから、冬の間はバントなど基本練習に励んだ。「コツコツ積み重ねたことを公式戦で発揮できたことがチームを勢いづけたのでは」と高林教諭。ポジション争いはほぼないが、部員の「自分が一番活躍したい」という気持ちが、学年の垣根を越えて全員にライバル意識を抱かせる。春季大会後に1年生が1人加入し、7月の市総合体育大会には12人で挑む。高林教諭は「勝ち進めば全国までつながるこの大会は厳しい暑さに負けない体作りが大切。顧問も入れて、部員14人のつもりで挑みます」と3年生にとっては最後の夏に備える。
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