元市職員で4月の市議選で初当選した渡部亮市議が、退職した翌日に市の管理する個人情報を持ち出していた問題で、市議会は8月29日、同市議の辞職勧告決議案を賛成多数で可決した。決議に法的拘束力はない。同市議は持ち出した情報について一切の利用を否定し、任期を全うする考えだ。
決議案は、議会会派の清風クラブ、公明ひらつか、湘南フォーラムに所属する3議員が連名で提出した。提出者の諸伏清児市議は「公務員としてあるまじき行為で、市議会議員としても市民の信頼を著しく損なうものである」と理由を述べた。
議会討論では「告発が受理されて処分を見てからでも遅くない」「マスコミ報道と行政の見解だけで、議会の調査がなされず、提案者が当事者の説明を直接聞いていない」など、時期尚早だとして無所属議員が反発した。
一方、諸伏市議は「本人が個人情報持ち出しの事実を認めている。早く議会としての姿勢を示すべき」と説明。日本共産党平塚市議会議員団の松本敏子市議は「市職員として在職中に個人情報を持ち出すという明らかな法令違反を行った。そうしたことで行政のチェック機能を果たせるのか」と主張した。
採決では、提出議員の所属する3会派と共産党が賛同し、17対7の賛成多数で可決された。
責任は「仕事で返したい」
渡部氏は議会後に報道陣の囲み取材に応じ、個人情報の持ち出しについて改めて謝罪。「退職の挨拶をしたいという思いで選挙に利用するつもりは一切なかった」とした上で、退職の挨拶状が選挙の事前活動にあたると判断し、送ることを控えたとも説明。「持ち出した情報は一切利用していない」と主張した。
渡部氏は8月の記者会見で、選挙スタッフに持ち出した情報を渡したと話していたが「記憶が曖昧だった。スタッフに確認して渡していないと分かった」と弁明した。
辞職勧告には「持ち出したことは反省しているが、不正な利益をはかる目的はなく、利用もしていないため、辞職するつもりはない。仕事でお返ししたい」と話した。
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