社会参画への理解めざす
その名も「注文をまちがえる湘南フレンチレストラン」(主催/ひらつか地域介護システム会議グループホーム・小規模多機能連絡会)が20日、夕陽ケ丘のレストラン「アッシュ×エム」を会場に1日限定でオープンした。エプロンを着用し接客を担当した「従業員」はすべて認知症の人たちだ=写真。
接客を務めたのは、市内外の高齢者施設を利用する70〜90代の27人。この日は客から注文を受け、料理を運び、急な注文変更などもボランティアスタッフの手を借りこなした。八重咲町の機能訓練型通所施設に勤める五十嵐由美さん(49)は友人と二人で来店。「オーダーはスムーズ。料理を運んでくださった後、おぼんを持ち帰り忘れてらっしゃいましたが、気にならなかったです」と振り返った。
レストランの発起人で介護福祉士の高橋勇士さん(38)は飯島にあるグループホームに務めている。介護の現場で認知症の人たちと接する高橋さんは、社会を取り巻く偏見や誤解をなくそうと、各方面の理解と協力を得て「開店」にこぎつけた。
高橋さんによると、認知症の人も健常者と同様調理で刃物を使う際は自発的に細心の注意を払うといい、物忘れがあっても多少の補助があればコミュニケーションにも支障はないという。「認知症の人たちは日常生活でちょっとした間違いをするというだけ。それは認知症でない私たちも同じことです」と高橋さん。
この日、当初の定員を超す100人以上が来店し、1日限定の営業は終了した。高橋さんは「皆さん一様に充実した表情をされていました。認知症であってもなくても『やりがい』や『必要とされる喜び』は生きるうえで誰にとっても必要不可欠」と訴えた。
多少のミスに寛容で手を差し伸べ合える社会、認知症の人たちが当たり前のように参画できる社会の実現をめざし、高橋さんは「注文をまちがえるレストラン」の第二弾をオープンしたい考えだ。
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