2021年にブラジルで開催される夏季デフリンピックまでおよそ1年に迫った。本大会への出場を目指す難聴のスイマーが平塚にいる。茨隆太郎さん(26)だ。
茨さんは、昨年9月のジャパンパラ水泳競技大会の50mバタフライで25秒66の日本新を記録するなど、自身が「競技生活の集大成」と位置付けているデフ五輪へ順風満帆に見えたが、この一年はスランプ続きだった。
デフ五輪への試金石として出場を目指していた今年4月の東京五輪選考会(中止)。200m個人メドレーの標準記録1分58秒30突破を目指してきたが、1分59秒70の自己記録は一向に更新できていない。日本新を樹立して以降、思うように縮まらない記録に焦りもあり「良い練習を積み上げられなかった」。昨年9月に結婚し「周囲から結婚して気が緩んだと言われるのも嫌だった」とも振り返る。
スランプに追い打ちをかけたのが、新型コロナウイルス。今年4月から2カ月間、練習場として使用している母校・東海大のプールで泳ぐことができず、筋トレやランニングに時間を費やした。
6月からは市民プールで泳ぎを再開。今もベストコンディションとはいえないが「納得の練習ができている」と手ごたえを感じ「辛抱強くやれば大丈夫」と良い意味で開き直れている。
先天性感音性難聴とともに生まれ、2歳から水泳を始めた茨さん。「デフ五輪で金メダルを獲って引退」を掲げているが、来年の東京五輪選考会出場も狙っている。
「完全燃焼したい」と茨さんは今日も水中で自身を追い込んでいる。
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