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公開日:2021.07.29

平塚八幡宮
伝承の奉遷塚を建立
コロナ終息の願い込める

  • 奉遷塚を囲む宅野宮司(左)と福澤さん

 平塚八幡宮(宅野順彦宮司)=浅間町=にこのほど、昔話で同神社にゆかりがあるとされる「奉遷塚(ほうせんづか)」が建立された。奉遷塚は「災いを封じる塚」であるとされることから、コロナ終息の願いも込められているという。

 國府祭に由来

 言い伝えによると、かつて端午の節句になると寒川神社・川勾神社・比々多神社・前鳥神社・平塚八幡宮の五社が大磯の神揃山に集まり相談などをしていた。

 國府祭として現在に続くこの風習では、寒川神社と前鳥神社の神輿が平塚八幡宮に来て、東海道の南の脇道を西へ向かうが、その道中に若宮大神がいた。

 若宮大神は國府祭に行く神輿に対し、脇道の近くに生息する蛇を集めて妨害するなどのいたずらを働いた。これに激怒した八幡宮の神が若宮大神を捕え、荒御霊を鎮めたのが奉遷塚とされる。

新名所として期待

 今年5月中旬、真鶴産の本小松石で造られた奉遷塚が八幡宮の境内に設置された。奉遷塚の建立に際しては平塚八幡宮の責任役員で市観光協会の会長を務める福澤正人さん(78)が協力。石碑の揮毫も行った福澤さんは「神社の新名所となり、多くの方に参拝に訪れてほしい」と期待する。

 宅野宮司は「奉遷塚の言い伝えを形として残すことで後世に伝えることができる」とコメント。「災いを封じる塚であるので、コロナ終息を皆で願うきっかけにしていきたい」と話した。

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