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平塚・大磯・二宮・中井 社会

公開日:2025.09.05

平塚市の古橋さん
伸ばした髪、必要な人へ
3年かけヘアドネーション

  • 寄付する自らの髪の毛を手にする古橋さん(右)と美容師の宮崎さん

 病気などで頭髪を失った子どものウィッグ(かつら)用に髪を寄付する「ヘアドネーション」に協力するため、平塚市立神明中学校2年の古橋茉大(まひろ)さんが8月下旬、3年間伸ばした髪を切り関連団体へ寄付した。

 20日午前。両親と「HAIR SALONRui.」(四之宮)を訪れた古橋さん。3歳の頃から担当という美容師・宮崎美喜さん(40)に「挫折せず頑張ったね。良く手入れできてる」と声を掛けられると笑顔を見せた。髪を複数の束にして丁寧にハサミを入れてもらうと、古橋さんは「すっきりした。必要な人に役立ててほしい」と話した。挑戦を見守ってきた父・剛一さん(52)は「伸ばしていくうちに本人の『困っている人のために』という強い意志を感じた」と振り返った。

 きっかけは小5の夏。テレビ番組で同年代の子がヘアドネーションをする姿を見たこと。「やってみたい」と両親に宣言した。もともと短髪で、一般的に寄付できる31cm以上に伸ばすには2年かかることが分かったが、決意は揺るがなかった。

 日々のケアは、洗髪の後にトリートメントとブローを欠かさず、趣味の昆虫採取や標本作り、魚釣りの時は一本に束ねて暑くてもめげなかった。

 友人はすぐに理解してくれたが、髪が肩まで伸びると初対面の人に「女の子ですか」と言われたことも。気にはならなかったが、理由を説明しても「ヘアドネーション」が認知されていないことを実感。古橋さんは「自分の経験をきっかけに多くの人に知ってもらいたい」と力を込めた。

 切り終えた長さ53cmメートル、163gの髪の毛は医療用ウイッグを無償提供する団体へ寄付した。

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