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平塚・大磯・二宮・中井 社会

公開日:2026.01.16

二宮の名店喫茶から継承
2組の夫婦の出会い

  • サイフォンの前に立つ、左から岡部蒼太さん、杏莉さん、尾上和枝さん、英雄さん

 二宮駅南口前の路地の一角で、町内外の人々の憩いの場として愛されてきた軽食喫茶「山小屋」が、昨年12月29日、その歴史に幕を下ろした。名店として44年7カ月に渡り同店が守ってきた場所は、20代の夫婦へ引き継がれる。

創業は1981年

 宮城県松島町出身の店主・尾上英雄さん(76)と二宮町出身の妻・和枝さん(69)が、和枝さんの父に勧められて1981年に創業した同店。「山小屋」の店名を表すように、ログハウス調の店内には丸太椅子やアンティーク時計が置かれ、温かみ溢れる雰囲気も人気を集めた。

 当初はコーヒーと紅茶に加え、クレープを提供していたというが、「クレープは手間がかかって大変で、すぐにやめて定食に切り替えたんです」と和枝さん。生姜焼きやハンバーグなどの定番メニューのほか、東日本大震災以降は、支援の思いから松島の旬の牡蠣を使った期間限定のフライ定食が名物になった。

元気なうちに閉店

 閉店を決めたのは、「足を運んでくれるお客さんがいるうちに、この場所を守ってくれる誰かに引き継ぎたかったから」と英雄さん。体調の関係で、最近は料理の提供スピードが遅くなるなど、以前と同じような接客をすることが難しくなっていたという。

 昨年6月から店舗を継承する人を探していた尾上夫妻は、秦野市出身の岡部蒼太さん(27)と妻で平塚市出身の杏莉さん(26)と出会う。県内や都内を回るキッチンカー「移動喫茶アリンチョ」を営んでいた2人は、地元のフリーマガジンの編集者から8月に同店の話を聞き、すぐに引き継ぐことを決めた。

 「高校生の時から山小屋が好きで、話をいただく一カ月前に夫を山小屋に連れてきていた。こんな店舗を構えたいと夫と話していたので、運命だった」と杏莉さんは顔をほころばせる。

受け継がれる「サイフォン」

 岡部夫妻は「サイフォンコーヒー」を受け継ぎ、2月中旬に「喫茶アリンチョ」をオープン予定。和枝さんから淹れ方を教わる岡部夫妻は「混ぜるスピードや木べらを差し込む長さを少し変えるだけで味が全く違う」と驚く。

 そのほか、ナポリタンの上にハンバーグをのせる『ナポバーグ』やカラフルなクリームソーダなど、移動販売と同様のメニューを用意する。

 蒼太さんは「喫茶文化は可能性がある。尾上夫妻のように、お客さんにとって優しい距離感を持てる接客をしたい」と敬意を払う。英雄さんは「二宮町は若い人が増えているので、多くの人がアリンチョに来るはず。自分たちらしい店をつくって」とエールを送った。アリンチョの情報はInstagramで。

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