ラディアンで本格オペラを上演する 大野 光彦さん 二宮町二宮在住 61歳
地域にオペラ文化を醸成
○…オペラ歌手。二宮町のラディアンで、第一線で活躍するプロと地元合唱団による本格オペラを上演する。「皆さんにオペラをもっと身近に感じてもらいたい。地域とつくるこの公演が、そのきっかけになれば」とテノールの美声で表情豊かに思いを語る。
○…愛媛県新居浜市の出身。父は『春の海』で知られる宮城道雄の直弟子で、幼少時から琴の音色を聴いて育ったが「音楽より球技やいたずらが好きな悪がきだった」と頭をかく。転機は小4の時、担任の薦めで受けた少年合唱団の1期生オーディションに合格し、思いがけず声楽の道が開けた。中学では合唱部に所属し国立音大附属高、国立音大へ進学。卒業後は二期会合唱団を経て、30歳を前にソリストとして独立した。「声がかかった仕事は何でも引き受けた」と振り返る下積み時代を経て、40代でオペラ歌手の登竜門と言われる新国立劇場のオーディションに合格。第一線のテノール歌手として多くの舞台に立ち、NHK名曲アルバムの「オー・ソレ・ミオ」なども担当した。
○…二宮町には結婚を機に、2014年に移り住んだ。「海も山も楽しめるが、箱根駅伝を間近で見られるのが嬉しい」と満面の笑顔。同業の奥さんと自宅でオペラ教室を開き、自身が代表を務める団体でオペラ公演のプロデュースや学校の芸術鑑賞会を請け負うなど、地域にオペラ文化を醸成しようと奔走。公私にわたり支え合う奥さんには、言葉にできないほどの感謝があるという。
○…余暇にはテニスでリフレッシュ。「前日の舞台でどんなに疲れていても、テニスの練習には何が何でも出る」と生き生きと語る。また愛犬の散歩も日課。「家族の一員なので、旅行にも連れて行く」と目尻を下げ、溺愛ぶりを覗かせた。
|
|
|
|
|
|
3月29日