元麻布ギャラリー平塚で日本画の個展を開く 加藤 晴枝さん 大磯町大磯在住 77歳
路傍の草花にときめいて
○…「傍らの花々と」と題して、10月6日から11日まで5回目の個展を開く。踊り子草や露草、ラッパ水仙などを広幅短冊に描いた作品30点を発表する。「豪華な花よりも、路傍に咲く花が性格的に好きなんです」。友人と旅行に出掛けた際、観光名所そっちのけで道端の小さなあざみに関心が向いてしまうほど。リクエストに応えて過去の個展に出した、福島県の三春の滝桜を描いた大作なども展示する。「日常の自然を見つめた作品を楽しんでいただけたら嬉しい」と話す。
○…葉っぱの緑、瑞々しい生命力を輝かせる花に感動した瞬間を、絵筆で表現する。自ら種をまき、苗を植えて育てた草花が主な題材だ。写真やスケッチに残し、作品には描かないであろう、咲き終わった花や根っこにも観察の目を注ぐ。「とことんまでやらないと気が済まなくて。好きが高じて自由に描いているだけ」と謙遜する。この夏の猛暑には花も参ったようで、秋海棠が今ごろ咲き出したとほほ笑む。
○…大磯町出身。日本画家・安田靫彦の門下生で院展に出品し、歌人の斎藤茂吉にも師事した加藤淘綾を父に持つ。女子美術短大を卒業。繊維問屋に38年勤め、意匠室で服地などの図案制作に携わる。注文に応じて流行の色や柄を先取りするスカーフやハンカチのデザインを手掛けながら、自分の絵を創作したいという意欲が湧いた。父が残した絵具を使い、20年ほど前に日本画を始めた。
○…神奈川美術家協会・平塚美術家協会会員。「もっとアートで頑張ろう!」を合言葉に、様々な分野の芸術家たちのグループ展にも出展。「生き生きと活動されているみなさんから刺激を受けて楽しいです」。しっかりと地中に根をはる花のように、奥ゆかしさの中に芯が通る。
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