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大磯・二宮・中井 人物風土記

公開日:2023.03.10

足柄仏教会の会長を務める
藤井 宏映さん
松田町在住 68歳

「伝統」という襷、次世代へ

 ○…「自分は伝統という襷をつないでいくランナーの一人だと思っています」と穏やかな声で語る。昨年夏、足柄上郡5町にある寺院約50カ寺からなる足柄仏教会の会長職を引き継いだ。会のまとめ役としての任期は2年。「責任を持って務めていきたい」と言葉に力を込める。

 ○…桜観音の名で親しまれている観音堂のある松田町内の宝寿院で住職を務めている。山北高校の校長や山北町教育委員長も歴任した父親から同寺院を引き継ぎ「気が付けばもう25年も経ちました」。観音堂の周りには、早咲き桜の「春めき」やソメイヨシノなどさまざまな品種があり、これらの一部も父が植えたもの。「今年も多くの人にきれいな桜を楽しんでほしいですね」。人にも桜にも愛情深い眼差しを向ける。

 ○…生まれ育ちは山北町。小学生のころ、東京五輪の開会式のファンファーレに心を掴まれた。「格好いいなと感じた。あの旋律はいまでも覚えています」と、当時を思い出して微笑む。管楽器への関心が高まり、中学、高校と吹奏楽部へ。ユーフォニウムやトロンボーンの練習に夢中になった。また、幼いころから「乗り鉄」で、電車を乗り継ぎ京都や広島、四国各地など、訪れた地域は数知れず。息子と共に鉄道の旅を楽しんだのも大切な思い出だ。

 ○…「父が住職を兼務していた山北町の花蔵院も今年、私が住職として引き継ぐ予定です」。その代わり宝寿院は息子に受け継いでもらうのだという。足柄仏教会の活動では、毎年続けていた歳末助け合い運動の托鉢がここ3年、コロナ禍で中止を余儀なくされた。同会は寺院に募金箱を設置するなどして浄財の寄付活動を継続している。「今後もできることを考え努力していきたい」

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