個性に寄り添い歌伝える

　○…約25年間、個人教室で音楽の楽しさを伝えてきた。ピアノ、声楽、合唱やミュージックベルなど教える分野は様々。レッスンでは各々が弾きたい曲を弾くことができる。電車が好きな生徒には駅の発車メロディ、恐竜が好きな生徒には恐竜映画などの歌などジャンルも幅広い。ＢＴＳやＡｄｏなどをリクエストする児童も。「ピアノで弾けるように編曲するのが難しいですが、頑張っています」と冗談交じりに笑う。「将来、音楽に触れてよかったと思ってもらえるように」と生徒の好きを尊重する。

　○…出身は平塚市。昭和音楽大学短期大学部で声楽を専攻し、卒業後は実家の小さな音楽教室に勤務した。結婚後に大磯に居を移し、約30年前に現在の教室を開いた。人の役に立ちたいと強く思ったのは子どもが生まれてから。母親として、自分にできる社会貢献が何かを考えて、「音楽の楽しさを伝えたい」と活動を始めた。

　○…15年ほど前からは平塚のＮＰＯ法人「スプラウト」で生活支援員として障害者支援に携わるほか、流行りのＪ-ＰＯＰの曲などを利用者と共に歌っている。２０１９年からは４人組音楽ユニット「あゆみとまなぶ」で歌手としても活動。今年３月にひらしん平塚文化芸術ホールで行った学びを交えたコンサートには親子連れ約60人が訪れた。

　○…夫と娘２人の４人家族。音楽活動を続けることができたのは、「周囲の支えのおかげ」だと感謝する。教室やＮＰＯの活動で忙しかったときには近所の人が、当時まだ小さかった子どもをお風呂に入れてくれたり、夕飯に誘ってくれたりしたことも。「いつも本当に感謝しかないです。この先も楽しくやっていきたい」と穏やかにほほ笑む。