共に歩む支援目指して

　○…大事にしているのは対等な関係。「地に足着けた、地域に根差した活動がしたい」と、町に住む人と手と手を取り合う対等な支援を常に考えている。近隣のロータリークラブや子ども食堂の運営者と、子ども食堂をテーマにしたパネルディスカッションを開いたときには、自ら立候補して初めての司会役を務めた。「どんなに小さな一歩でも、立ち止まらずに前に進むことが大事」だと実感した。

　○…ロータリークラブとの縁は10年ほど前に周囲から誘われたのがきっかけ。「最初はどんな活動をすれば町に住む人の役に立てるのか分からなかった」と振り返る。転機は入会３年後にいきなり幹事を任されたこと。幹事会に出席すると自分の勉強不足さを実感させられた。「せっかく縁あって入ったロータリーだから、できること全てやろう」と決意し、活動に励んだ。全力を注ぐ中で周囲のメンバーの奉仕への真摯な姿勢に気づき、親睦も深まった。

　○…東京都渋谷区生まれ。外資系企業で働いていたが、重度の知的障害のある弟や脳腫瘍が発覚した母親のことが頭から離れなかった。「ここで二人と向き合わなければ絶対に後悔する」と40歳手前で退職し、介護職へ転職。現場のスキルに加えて心理カウンセラーの資格も取り、家族を支えた。現在も現役の介護福祉士として働いている。

　○…「困っている人を見たら声をかけることだって立派な奉仕」と、小さな一歩を大事に奉仕活動を続ける。「自分にできることを探して行動していると、自然と手を貸してくれる人が集まってくる」と実感できたのはロータリーの活動があったから。「土を耕し、種を撒いて、花を育てる」ような地道な活動に全力を注ぐ姿に、信念と情熱があふれた。