チャレンジ精神大切に

　○…小田原市と南足柄市、足柄上・下郡の薬剤師約３００人が所属し、地域の健康を守る活動を展開する組織のリーダー役を任された。今回活動をけん引する理事に、30代をはじめとする若手が多く就任。メンバーに伝えたことは「失敗を恐れずにチャレンジして欲しい。そのために私がいる」ということ。これまで自身を育ててくれた感謝の気持ちを込め、次世代につなげていきたいという強い思いがある。

　○…自身が生まれる前に父が「螢田薬局」を開局。子どものころは教師になるのが夢だった一方、薬局へ相談に訪れる人に寄り添う父の姿に「地域の方に喜んでもらえる仕事をしている」と尊敬の念を抱いていた。中学２年のときに父が亡くなった。父の薬局を守りたいと薬科大卒業後に県内の薬局で経験を積み、30歳で跡を継いだ。いつも父の薬剤師仲間が目をかけてくれたといい、会長の打診があった際も「千括がやるならサポートするよ」と背中を押してくれた。恩返しするために頑張ってみようと、迷いが吹き飛んだ。

　○…コロナ対応をはじめ、医療ＤＸの推進など薬局業界は変革の時代にある。だからこそ地域のニーズに応えることを大切にしている。外出が難しい人へのサポートとして訪問やオンラインの積極的な活用や、お茶を飲むついでに健康相談ができるなど「薬剤師が身近な存在になれば」と熱を込める。

　○…４年ほど前に父の友人の薬局も引き継いだ。「地域の方に長生きして欲しい」と長寿といわれる「いちょう」を薬局名にした。薬剤師会の活動で出会った妻と”溺愛する”中学生の娘の３人暮らし。休日は娘がきっかけで始めたキャンプを楽しむほか仲間と湘南国際マラソンに出場などアクティブに過ごす。