西長院の身代わり地蔵尊会会長の 鈴木 馨さん 大磯町国府本郷在住 87歳
大磯育ちの思い出つなげ
○…大磯町国府本郷の西長院にある身代わり地蔵を後世に伝えようと、15年ほど前に発足した身代わり地蔵尊会の会長を務める。同寺の住職を含む9人のメンバーとともに縁日の1カ月前から集まり、落語や演芸のほか、子ども向けのお菓子の配布なども企画。甘くておいしいと評判の焼き芋は「趣味の域を超えている」と仲間に言われる700坪の畑で育てた安納芋を提供している。
○…西小磯に生まれた。結婚を機に国府本郷に移り、国府中学校のPTA活動を皮切りに町内会等の地域活動に参加するように。西長院の地蔵縁日の企画も、区長を歴任したメンバーとの慰労会で「昔の賑わいを復活させるのに何かいい案はないか」と相談されたのがきっかけだ。寺にあった身代わり地蔵についての古文を大学教授に頼んで現代語に訳してもらったり、子ども達にもわかりやすいよう紙芝居を作ったりと、会としての普及活動を始めた。
○…電機製造業で設計などを専門としてきた。海外出張も多く、「当時は1ドル360円、500ドルしか持ち出せず、せっかく外国に行っても仕事のみして帰ってきた。定年を迎えたら観光したいと思っていた」と振り返る。アメリカやメキシコ、ベトナムやカンボジアなどを訪れたほか、国内では東海道五十三次などの街道を歩く趣味も。パソコンと携帯プリンターを旅先にも持参し、記録を欠かさないのは「理系出身の几帳面さかも」と笑う。
○…会員の高齢化が課題の一つだが、地蔵縁日で並ぶわたがしなどの屋台に心を躍らせた幼少期の記憶が会員共通の原動力だ。「そんな思い出がある世代も少ないから、今の子どもたちにつなげたい」と毎回頭をひねり、喜んでもらえそうなアイデアを探し続ける。
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