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小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記

公開日:2012.06.23

新しく小田原華道協会会長に就任した
杉崎 宗雲さん
市内蓮正寺在住 62歳

花に映す「自分らしさ」



 ○…就任早々、9年ぶりに小田原で開催された「神奈川県華道展」。期間中は黒岩祐治知事も顔を見せるなど1万人を超える来場者で賑わった。「会の活発化」を標榜した新会長にとって、スタートから勢いのつく盛会となった。



 ○…華道家の父が稽古をする横で遊んでいたのが華道に触れるきっかけ。小学校3〜4年生の頃だった。「『門前の小僧』ですよ」と当時を振り返る。以来華道家生活は半世紀にのぼる。「華道を辞めたい」と思ったことはないそうだ。「花を活けていると気持ちが良い。花が何かをくれている」と植物の持つパワーが創作意欲の源であるという。同年代には各流派の家元クラスの息子たちも多く、刺激しあった。古典芸能としての華道に飽き足らず、アートとしての前衛的な要素を取り入れる作品にも挑戦してきた。ブリキでつくったバラを出展したのは16歳のとき。常に同じものがない自然を相手に、いかにして「自分らしさ」を出すか、その試行錯誤が華道の魅力と話す。「まるで螺旋階段を上るよう」とこの半世紀を表現した。



 ○…無尽蔵プロジェクトの芸術文化分野のコーディネーターや文化連盟の事務局長など小田原市の文化政策に様々な形で寄与している。それだけに新しいホールに対する期待は大きい。「市民が文化をテーマに好きに遊べる空間を作る、と言う意識があると嬉しい」と話す。また重要なのは「箱」の大きさや形ではなく、使う人の「熱意」だとも。(ホールの)形や枠組みにこだわると「未来の子どもたちが使えなくなってしまうよ」と苦言も呈した。



 ○…大病を患ってから酒もタバコも止めた。今の楽しみは「食べ歩き」。蕎麦や甘いものが好きで、インターネットで検索しては家族や仲間たちとあちこち出かけていく。「行ってがっかりすることも多いけどね」。思い通りにいかない過程も華道同様の魅力と楽しんでいるようだ。

 

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