小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記
公開日:2025.12.27
今年で50周年を迎えた神奈川縣神輿保存會「湯河原睦」の会長を務める
大野 和祝(かずのり)さん
湯河原町在住 64歳
継承の志 真っ直ぐに
○…やっさまつりや湯かけまつり。湯河原を象徴する祭りの熱気の中、威勢の良い掛け声とともに神輿を担ぎ上げる「湯河原睦」。今年、創立50周年の節目を迎えた。約60人を束ねるリーダーとして「若手も増える中、とにかく現状維持に努めたい。先輩方の思いを次世代へつなぐことが自分の役目だから」と、地に足をつけて活動を続ける。
○…生まれも育ちも湯河原町。22歳のころ、サーフィン仲間の先輩に誘われて入会。当時はいわゆる神輿ブームの最中だったといい、「最初は軽い気持ちだった」と振り返るが、活動を重ねるうちにその奥深さにのめり込んでいった。「うまく言葉にできないけど、もとから伝統が好きだったんだと思う」。一番の魅力を問えば「祭りの日の熱気かな」と即答しつつも、「楽しみで眠れないってほどじゃないけどね」と茶目っ気たっぷりに笑う。
○…入会してからの約40年を振り返ると、諸先輩や周囲への感謝は尽きない。特に前町長の故・冨田幸宏氏には入会時から世話になっていたという。公私ともに「親方」と呼び慕い、神輿のいろはから人生の矜持まで教わった。会長就任から7年。「今の姿を見たら『しっかりしろ』と怒られるかな」。親方を偲んで大きく笑う姿に、揺るぎない敬意がにじむ。
○…父が始めた林業を引き継ぎ生業とする。専門は市街地の高木に登り、ロープを駆使して切り下ろす「特殊伐採」。命の危険も伴う職人仕事だが、「実は高いところがあまり得意じゃないんだよね」と苦笑い。息抜きは還暦から乗り始めたカワサキの大型バイク。「無心になれる時間が好き」。冬の冷たい風を頬に受けながら、愛車とともに伊豆半島を軽快に駆け抜ける。
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