新しく小田原警察署の署長に就任した 野田 次郎さん 市内城山在住 56歳
一本気に突き進む
○…県警の中で「西の守り」と位置づけられる小田原署。「ぜひ勤務したい」との念願がかない、気合もひとしおだ。「風情ある城下町であり、世界に知られる箱根がある。歴史を守る誇りを感じる」と前を見据える。週3日行う早朝マラソンで歴史ある建物や町名の由来など、見かける度に立ち止まって眺める。「地域を知りたい。好きになりたい」と笑顔をみせる。
○…出身は大分県宇佐市。八幡総本宮「宇佐神宮」を抱える格式高い町だ。「一面田んぼと山」の豊かな自然に囲まれて育った。18歳の時に進学のため上京。「布団袋に荷物を詰めて、寝台特急に乗って来た。ついてきてくれた母親が帰って、ああ一人になったなぁ、と思った」と当時を振り返る。大学卒業後「固い仕事に就きたい」と神奈川県警へ。阪神大震災の時には第一陣で現地へ赴き、オウム真理教事件の際は集団警備にあたった。県内の犯罪件数が過去最悪を記録した2002年頃は銀行強盗や爆弾事件など凶悪事件が多く発生。「毎日どうなるかわからない状況。1カ月家に帰れず体を壊したこともあった」日々を「今となっては良い思い出」と気丈に話す。
○…署長職は2度目。1度目は横浜市の官庁街、加賀町警察署長として勤めた。就任は2年前の3月10日、東日本大震災の前日だった。被災地へ赴いた出向者は「信頼して協力してくれる、地域の人たちのために仕事をしたい」と語ってくれた。その言葉に「これこそが警察のあるべき姿」と表情を和らげる。「この人たちのためなら、という気持ち。まちの人のためになっているのか」常に自問自答している。
○…休日も「管内を離れるわけにいかない」と相模原に暮らす夫人と愛犬にもなかなか会えないという。趣味のバイクは署長職就任で手放した。「退職したらアメリカを横断したい」と思い描く夢をそっと胸にしまい、小田原の治安維持に奔走する。
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神奈川県警察官友の会社会全体の犯罪防止や治安維持に寄与し、民間の力を合わせて警察官を支援 |
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