小田原ライオンズクラブ主催のイングリッシュスピーチコンテストで優勝した 神野(こうの)秀幸さん 小田原高校2年
人生の舵は思うまま
○…「Kendo begins with a bow and ends with a bow(剣道は礼に始まり礼に終わる)」。おじぎのジェスチャー付きでスピーチを始めたとき「意外と落ち着いている」自分がいた。小学6年で観たテレビドラマのワンシーンが格好良くて始めた剣道。技が決まっても体で喜びを表現してはならない、相手を尊重する気持ちを重んじる―。剣道の楽しさも辛さも伝えたい、と準備を重ねて3カ月。抑揚、スピード、ジェスチャーなど、細部にわたり指導してくれた飯山光男教諭の「本当に伝えたいことは暗記の先にある」という言葉を胸に、本番に臨んだ。ストップウォッチ片手に練習に付き合ってくれた母には、晴れの舞台から「トロフィーで手が振れなかった」と照れ笑いを浮かべた。
○…小さい頃は人見知りが激しかったという。中学生の時に参加した、韓国にある「英語村」での合宿が大きな転機になった。韓国人とロシア人の、同年代の生徒と共に、拙い英語でアドバイスしあいながら作り上げた一つの演劇で、異文化にぐっと近づいた。今年6月、高校の文化祭では英語で落語にも挑戦。客席の反応を見ながら話す柔軟さを培った。
○…笑みを絶やさずに話す様子は穏やかだが、実は相当な負けず嫌い。コンテストでは静かに闘志を燃やしながら出番を待ち、いざ本番は「やってやろうじゃないか!」と自らを鼓舞して舞台へ。「自分に酔いしれながら」のスピーチ中、勢い余ってマイクを倒すも「sorry」とさらり。減点には繋がらず「偶然がプラスになっちゃった」と茶目っ気たっぷりに笑う。ハプニングをも味方につける強心臓の持ち主だ。
○…ラーメンが「格別に」好き。科学館は「メッチャ」興奮する。古風な言葉と現代っ子の顔が両方のぞく。恐竜も星空も好きで、将来はまだ決めかねている。先は長い。英語を武器に、世界へ羽ばたけ。
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