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小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記

公開日:2014.06.07

新しく神奈川県宅地建物取引業協会小田原支部の支部長に就任した
高杉 尚男さん
湯河原町土肥在住 56歳

秘訣は「何でもやる」

 ○…世代交代を進める支部の先頭に立つ番が回ってきた。執行部には女性や若手を積極的に起用、新風を吹かせる。「円滑な業務の支援のために神経を使っていきたい」と決意を語る。公益社団になって1年。これまで以上に地域貢献に心を砕く。そのためにはまず、自分たちの生業が地域の活力をあげるエンジンであることを自覚する。「土地・不動産が動かないと人も経済も動かない」。自ら言い聞かせるように力を込めた。

 ○…湯河原町のみかん農家の生まれ。就職後、仕事に関係もあることから24歳で不動産免許を取得。その後、大手ハウスメーカーの関連会社の立ち上げに加わった。会社の登記から自分たちでやったことで、経営のイロハを学ぶ貴重な経験となった。当時はまだ珍しかったパソコンを駆使する職場環境に身を置くことで、独立する際の参考となった。

 ○…1994年に独立。時はバブル崩壊後「失われた10年」の真っ只中だった。周りには反対されたが、「不動産は小売業」という持論を展開して勝負したいという欲求が勝った。建築から販売、賃貸まですべて引き受ける。社名「エスシーリビング」のSCは実はショッピングセンターの略。「単科の専門医院もあれば総合診療所もある病院と同じ」。目指したのは何でも揃う不動産屋だった。

 ○…大学生の息子さんの話が出たところで、後継について水を向けると「私はそのつもりだけど、本人はどうだかね」と少し照れ笑い。親子の間では、満更でもない様子で話は進んでいそうだ。多忙な毎日で趣味に興じる時間は限られている中、心と身体をリラックスさせてくれるのが、自宅に作られた鉄道模型・Nゲージの世界。専用の部屋まで作ってしまうほどのはまりよう。「飲んで帰った後に動かすのが最高」と破顔した。ミニチュアの街が少しずつ発展する様子は、未来の県西地域とダブって見えるのだろうか。

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