全国高校総体(インターハイ)女子200mで2位に入った 杉山 菫さん 相洋高校 18歳
てっぺんまであと一歩
○…あと0・03秒届かなかった。インターハイ女子200mで惜しくも2位。目標に掲げた「てっぺん」には立てず、「この差を埋められなかったのは気持ちが足りなかったのかな」と唇をかみしめる。それでも、最後のインターハイを終え「足がしっかり動いてくれてよかった」と、緊張感から解き放たれて安堵の表情を浮かべた。
○…前回大会は4×100mリレーの第2走者として全国優勝。「リレーの相洋」と称される、その名の通りの力走だった。最上級生になった今年も好調をキープしたが5月初旬の練習中、右足をこれまでにない痛みが襲った。「焦りしかなかった。走れないことが人生で初めてだったので」。夢でうなされるほど苦しいリハビリを続け、痛みと戦いながら挑んだ県総体では5位。なんとか駒を進めた南関東大会でも予選通過ラインぎりぎりの6位と、まさに満身創痍で掴んだ全国への切符だった。「顧問の銭谷先生、チームメイト、友人、家族。すべての人に支えてもらった。これはやるっきゃないでしょって感じでした」と晴れやかな表情。
○…レース前の勝負飯は「普通のごはん」と笑うが、姉が作ってくれるハンバーグが大好物。「ケチャップ味で素朴な感じが杉山家の味」。インターハイを終え、部活がひと段落した今は、残りの高校生活の一日一日を大切にしたいという。「これまでは大会で参加できなかった文化祭でかき氷を作ったり、あとは遠足にも行けるのかな。クラスの女子でワイワイやりたい」。楽しそうに話す横顔に厳しいアスリートの表情はない。
○…大会を制した川村知巳さん(盛岡一高)には昨年のインターハイ、日本ユース陸上、そして今大会と一度も勝っていない。しかし、10月の日本ユース陸上でリベンジのチャンスは残されている。「今大会で果たせなかった23秒台で走って、川村さんに勝って卒業したい」。まだまだ陸上女子の挑戦は終わらない。
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