小田原を題材にした作品を数多く世に送り出してきた私小説家、川崎長太郎の没後30年を記念した特別展が10月10日(土)から小田原文学館で開催される。会期は11月29日(日)まで。
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初公開となる直筆原稿など、貴重な資料をもとに長太郎の足跡をたどる企画。執筆活動の様子を視覚的にもわかりやすく紹介しようと、プロの建築家が、当時の写真や作品内の記述から復元した物置小屋の模型も展示される。長太郎は浜町にあったこの小屋で執筆に励んでいたという。
主催する小田原市立図書館の鳥居紗也子さんは「作家らしくない、庶民的な長太郎の魅力が伝わる展示会。脳出血で右半身不随になっても、左手で書き続けた生原稿も見てほしい」と話す。開館は午前9時〜午後5時(最終入館4時30分)。入館料は大人250円、小中学生100円。(問)【電話】0465・24・1055
人気は「抹香町」シリーズ 実体験もとに創作
長太郎は1901年小田原生まれ。旧制小田原中学(現小田原高校)に入学した頃から文学に興味を抱き、文士を目指す。だが、コピー機のない時代、図書館で興味のある本のページを破ったことが発覚して退学。その後は家業の鮮魚店で働き、東京と小田原を行き来する生活を送りながら小説家の道を歩み始める。
38年、40歳を目前に控えた長太郎は生活の拠点を小田原に定め、執筆活動に専念するように。作品は実体験を題材にしたものが多く、小田原の地名や実在する店名も度々登場する。なかでも遊郭だった「抹香町」の女性達との関わりを描いたシリーズが人気を博し、今なお根強いファンが多い。
生命感あふれる小屋
健康志向が強かった長太郎の日課は散歩。その途中でほぼ毎日立ち寄っていただるま料理店では、「栄養が偏らないように」と色々な具材を盛り付けたちらし丼を必ず注文していたため、店員には「ちらさん」の愛称で親しまれていた。作品でも紹介されている定番の散歩コースは、地図をもとに特別展でも紹介される。 長太郎を語るうえで欠かせない物置小屋は、トタン外壁で電灯はなし。夏は暑く、冬は寒く、虫も多いなど快適な環境ではなかったようだ。だが、台風で屋根が飛ばされるまで20年間そこで暮らし、ビール箱を机にろうそくの明かりのもと執筆活動を行っていた。
建築家の大室佑介さんは、作品内に繰り返し登場する小屋の記述と写真をもとに、今回展示する模型の制作にあたった。明かりすらないボロボロの小屋だが、「だからこそ生命感があふれていたように思う。そんな場所で、生きる術であった小説を執筆することに意味があったのではないか」と感慨深げだった。
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