本日開催「レッツ朗読フェスティバル」を主催する小田原文学サロンの実行委員長を務める 馬見塚(まみづか) 昭久さん 小田原短期大学講師 54歳
透明感をまとう人
○…文学を愛する人に悪者はいないと、勝手に思っている。柔らかな口調で、時にじっくり言葉を選びながら話す様子は”何色にも染まる”印象。有識者たちが集まる文学サロンは、文学を媒介に小田原の活性化と、文学そのものの隆盛を願って発足した。原体験は生まれ育った鎌倉の田園風景だが、母の実家がある早川での思い出もまた、活動への参加に深く影響している。幼い頃、長期休暇のたびに訪れた小田原の自然は、いつも自分を包んでくれた。今でも時おり、耳の底に蘇る波音。「小田原は第二の故郷」とほほ笑んだ。
○…「数学が苦手だったんです」と浮かべた照れ笑いに、親しみを抱く。大学卒業後、一度はサラリーマンになったが教育の道への思いは深く、通信制度で初等科の教員免許を取得した。最初の教え子は茅ヶ崎小学校の4年生。心と心のつながりや、力を合わせる素晴らしさを伝えることに必死だった当時を、「いま思えば至らぬ点ばかり」と少々厳しい自己評価。小学校時代の恩師が贈ってくれた短歌を座右の銘とし、自身も教え子に伝えてきた。「越えなばと思いし峰に来てみれば なお行く先は山路なりけり」。字を間違ってはいけないからと、取材ノートに師の名前と共に几帳面な字で愛おしそうに書きこんでくれた。
○…ファンタジーや怪奇など、朗読フェスティバルで取り上げる作品のテーマに「不思議」を選んだのは、それらに対する謙虚さが失われつつある現代への警鐘。「世の中割り切れることばかりじゃない。目に見え、表現しきれることばかりでもない」。幼い頃に両親が買ってくれた本の中でもとりわけ好きだったのが、世界の交通や地理を写真入りで解説した図鑑。裏表紙に描かれた未来都市に、少年は夢を抱いた。「そこにはね、『21世紀には素晴らしい社会がやってくる。そこで活躍するのは君たちだ』と」。子どもたちに語れる、明るい文化を創り伝えたい。
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