JAかながわ西湘の選果場から11月8日、カナダに向けて小田原と南足柄産のみかんが出荷された。カナダへのみかん輸出の歴史は古く、明治後期から大正初期に始まったという記録が残っている。
神奈川県は昭和初期まで、和歌山、静岡と並ぶ「みかんの三大産地」といわれカナダやアメリカにも多く輸出してきた。
カナダではクリスマスイブに吊るした靴下にプレゼントと一緒にみかんを入れる習慣が定着しており、その時期は「クリスマス・オレンジ」として日本のみかんが販売されている。
JAかながわ西湘管内では今シーズン、小田原市と南足柄市の農家15軒から「藤中(ふじなか)」約5トンが成田総合選果場と福沢総合選果場(南足柄市)に集荷された。成田総合選果場からの出荷は約2トン。最盛期の30年ほど前には約280トンが出荷されていたという。
出荷前の7日には、カナダの輸入会社のウォルト・ブリーデン副社長が選果場を訪問した。選果場を直接見るのは初めてで、JA職員に質問をしながら、カゴに入った実を手に取り香りをかいだり大きさや味を確かめたりしながら品質をチェック。「グッド」と満足げな表情を見せた。
「MIKAN」の文字が印刷されている段ボールで出荷したみかんの輸送は船便で、到着までの期間は2〜3週間。早く熟しているものは途中で傷みやすいため、皮に青味が残り、ある程度酸味があるものが適している。輸送中に徐々に熟して甘みが増し、カナダの店頭に並ぶ頃に食べごろになるという。
輸出の出荷作業はみかんシーズン最初の仕事となる。県西地域の選果場では、これから12月初旬ごろに贈答用として人気の大津みかんの出荷が最盛期を迎える。
国内の果実の年間輸出額は、リンゴの109億円(約2万9千トン)が最も多く、みかんの輸出額は5億円(2500トン)にとどまる。輸出先で最も多いのはカナダで、近年は香港や台湾などアジアにも市場が広がっている。
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