「箱根おんがくの森2022」のアートディレクターを務める 布施 砂丘彦(さくひこ)さん 湯河原町出身 25歳
クラシックはまるで登山
○…自然豊かな箱根湖尻アートビレッジなどを拠点に8月、クラシック音楽を中心とした3日間にわたる音楽祭「箱根おんがくの森2022」を初開催する。プロの演奏家、ダンサー、俳優ら約30人のほか、地域の子どもたちも出演してつくり上げる同祭典を発案し、アートディレクターとしてまとめ役を務めている。「箱根には自然も温泉も歴史も美術もある。あと加えるとしたらクラシック音楽だと考えた。多くの人が癒されるようなイベントにしたい」
○…湯河原町出身。親の薦めで5歳でバイオリンを始めた。小学4年で小田原ジュニア弦楽合奏団に入ると、その翌年、自ら志願してコントラバスに転向した。「音は目立たないけれど、音楽の土台を成す魅力的な楽器だと感じたから」。縁の下の力持ちとしてみんなを支えたい、という自身の性格にも合っていた。
○…クラシック音楽の魅力は「聴けば聴くほど味が染み出してくること」。中学・高校時代には、湯河原町立図書館内のクラシック曲のCDを少しずつ「1000枚くらい、満遍なく聴きました」。1時間もある長い曲を聴くのは「まるで登山しているみたいな感覚になる。聴き終わった後、登頂したような達成感がある」と目を輝かせる。東京藝術大学を卒業後、現在はプロのコントラバス奏者として演奏会や、古巣の合奏団での子どもたちへの指導などに力を入れている。
○…大学時代の同級生とともに準備を進めている今回の音楽祭。今年3月に箱根町役場に企画を提案しに行ったところ「とても温かく迎えてくれた。受け入れてもらえてうれしかった」。来年以降も続け「箱根には素敵なクラシック音楽祭があるよね、と浸透していければ」と意欲を見せた。
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