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小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記

公開日:2022.08.20

小田原でボランティア団体「花と食のODAWARAまちづくりの会」を立ち上げた
新田 時也さん
小田原市東町在住 58歳

社会参加の場を提供する

 ○…「ボランティアを経済の歯車に入れなきゃいけない」。東海大学の准教授として教壇に立つ傍ら、6つのNPO法人と団体の代表を務め、経済の仕組みについて思考を巡らせる。ボランティアを通じて得られる満足感や人とのつながりを商品化できないかとの発想で、活動を続けている。

 ○…今年4月小田原に引っ越し。間もなく「花と食のODAWARAまちづくりの会」を設立し、気軽にボランティアを体験できる場を提供する。現在は市内で月に2回程度ミサンガ作り。それらを販売し、収益は小児がんの治療を受ける子どもへ寄付する。これまでの経験から「気合を入れ過ぎたら続かないよ」と、あくまでもハードルは低く。学生や社会人、中には友達作りや社会復帰にと参加する人も。

 ○…広島県宇品出身。原爆投下地点から約4Kmの所で育った。平和学習が盛んな地域で、現在の活動は「今思えば、このときの経験が根底にあるのかもしれない」と回顧する。大学卒業後は、高校で数学を教えながら、大学院で統計学を応用した経済の研究を始めた。博士課程へと進み学びを深め、1998年から東海大学に。地域経済やまちづくりを専門に講義をするほか、観光誘致の協議会にアドバイザーとして参加もした。転機は2016年、熊本キャンパス在籍時に経験した熊本地震。被災者が立ち上がる姿に「人生観を変えられた。助け合いが大切だと感じた」。以降、ボランティアが生活の軸となった。

 ○…小田原といえば、「『東海道中膝栗毛』にも登場する外郎売や、梅干しが有名じゃないですか」。まちを歩いては、昔の景色に想像を膨らませる。歴史や食に触れながら美化活動ができる「ボランティアツアー」の販売はそう遠くない。

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